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季節外れのインフルエンザが流行中。ビッグデータでの予測はまだ感染拡大傾向に

※今回のレポートは、『Yahoo! JAPANビッグデータレポート』のヤフー・データソリューション出張編としてお届けしています。

突然ですが、皆さんの周りでインフルエンザに罹患した、もしくは自身が罹患したという人はいますか?

いま、本当にインフルエンザが流行しています。
ただ、そういってもなかなか実感が持ちにくいもの。報道もよく耳にしますが、どれぐらい流行っているのか? というのはいまいち伝わりにくい所があります。
しかし、次のグラフを見ていただければ、今の流行がただ事でないことが分かるのではないでしょうか。

資料:厚生労働省

このグラフは2011年から2023年のインフルエンザ定点報告数、つまり定点医療機関において1週間にどのぐらい患者がいたのかの報告数です。(厚生労働省「インフルエンザの発生状況」)
これを見るといくつかの明らかに特異なポイントがあることが分かると思います。

1.例年46週を過ぎた12月頃から患者数が増えてくるが、今年は8月末の
  34週頃から増えている
2.コロナ禍以降(2020年1月)に記録した最大報告数をすでに上回って
  いる
3.通常の年では感染者ピークは大体30~40、大流行したり集中的に流行
  すると50~60を記録するが、今年は10月半ばの43週ですでに20弱を
  記録しており、例年のピーク直前といってもいいレベルに来ている

この3点だけでも今流行っているインフルエンザがいかにただ事でないかがわかるかと思います。

では、インフルエンザはこの後いったいどうなっていくのでしょうか? またピークはいつになるのでしょうか? これに関してはデータの観点からいうと、(データの存在する)過去に前例がないため、わからないというところですが、ビッグデータレポートで以前から公開している直近週の予測は引き続き可能なため、翌週44週(10月30日〜11月5日)の数値を予測してみたいと思います。Yahoo! JAPANの検索データを用いてこれまでの検索推移と厚労省データの実数推移を利用して最新数値を独自に予測しました。

資料:厚生労働省・検索データ

データからの予測値では、今週11月10日(金)に厚生労働省から発表予定の定点観測数は、先週よりさらに増加して、22.26となると推測されます。
つまり、まだインフルエンザはピークに達しておらず感染拡大が続いているフェーズであることが伺えます。

また、都道府県別にも見てみましょう。ビックデータレポートでは都道府県別の定点報告数予測と先週のからの伸び率を組み合わせて「インフルエンザ感染状況マップ」として可視化して提供しています。

インフルエンザ感染状況マップとは

これに沿って都道府県別の2023年44週(10月30日~11月5日)のインフルエンザ感染状況マップを作成したところ、以下のようになりました。

資料:厚生労働省・検索データ

これを見ると、まず第43週に50を超える値を記録していた愛媛県が、今週の数値では大きく減少して、33.4ぐらいになるとの予測値になっています。ただ、マップ全体を見ると多くが先週伸び率の1.0より上にプロットされる都道府県が大半となっており、沖縄県、大分県、愛媛県といった一部の減少傾向にある都道府県を除いて、まだ流行は拡大しているということが見て取れます。

今回はインフルエンザの流行がこれまでにない動きと、感染者数がかなり大きい数値となってきていることから、注意喚起のために本レポートを作成しました。これまでの常識に合わせた感染対策ではなく、より一層の注意が求められる段階に入ってきていますので、皆様なにとぞお気をつけください。


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