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【大学の歴史・前編】中世ヨーロッパから近現代-独[研究大学モデル]仏[高度職業人育成モデル]英[カレッジ]を概説

教養とは?

時代が大きく変化する今日、なにかを学ぶことが求められています。
なにかを学ぶというのは、なにか教養系のユーチューブを視聴することでしょうか?

NHKの教養系の番組や民放局のクイズ番組を視聴することでしょうか?
あるいはまた、なにか市民講座に行って、新たな知識を得ることでしょうか?はたまた、大学院に入学して、専門的な知見を得ることでしょうか?

わたしの意見は、次の通りです。
ユーチューブや教養系のテレビ番組を一時、視聴してなにかを学んだ気になったり、市民講座に一時期、通ってなにかを知ること、本格的に大学院へ通って学問をきわめようとすることは、どれも一長一短があります。
ユーチューブ、テレビ番組や市民講座は手軽である一方、大学院に通うのは実に大変です。

ではどうしたらよいのでしょうか?

一見、矛盾しているように感じるかもしれませんが、わたしはこのチャンネル、つまりユーチューブで「教養」とはどんなものなのか、について配信したいと思います。

その理由は、いまやユーチューブ、例えば中田敦彦さんのチャンネルで政治や経済、トレンドの書籍がどういう内容なのか知り、リハックで成田悠輔さんから「頭のいいひと」がなにを考えているのかを知り、ホリエモンチャンネルで堀江貴文さんから「社会」の見立て方を知る… …ということは確かに楽しいことは間違いないのですが、なにか上手く切り取られた表層を見ているようで、物足りなさも感じます。

現代は、わかりやすいこと、食べやすく加工されていることはコンテンツを不特定多数の誰かに配信したり、提供する際に必須の要件です。
つまり、わかりやすくないこと、食べやすく加工されていないこと、すぐに役立たないことはまるで現代調ではないのす。

しかし、わかりやすなく、食べやすくない、すぐ役立たないことは、無用の長物なのでしょうか?

このサイトでは、ユーチューブがいま耳目を集めていることを十分、理解しつつ、わかりやすく、食べやすいものばかりが重用される今日の状況に、ほんの少し、異議申し立てをしたいという、実に中途半端なコンセプトで発信を開始します。

冒頭の話に戻れば、いま「教養」が求められています。
教養とは、なんでしょうか?
あまりも漠然としていますね。
そこで簡便に次の3つのジャンルを挙げてみます。

(1)   学問
(2)   スポーツ
(3)   文化芸術 音楽・絵画・文学など

「教養」とはなにか、というのは、余りにも広く、漠然としていて問いとして成り立たないのと同時に、著名な研究者にしか語れないものです。

そこで、このチャンネルでは、さしたる検討もないままではありますが、いわば見切り発車で教養とかリベラルアーツについて、語っていきたいと思います。

欧米の大学の歴史とリベラルアーツ

「教養とはなにか」は簡単に定義するのはなかなか難しいですが、英語でいうと「リベラルアーツ」です。
まず高等教育の歴史から紐解いてみます。以下は少し長くなるのでひまな時にでも、聴いてください。「高等教育論」をかいつまんだものになっています。

(1)歴史

大学の原形は中世に遡ります。イタリヤのボローニャ大学あたりが最古の大学といわれています。Wikipediaをみると1088年創設とあります。

当時は「医」学、「法」学、「神」学、この3つです。それぞれ医者、法律家、神学者になるためです。

つまり、高度職業人になることと大学は直結していました。

いまとはもちろん違って貴族など特権階級だけを対象としていました。そもそもラテン語とかギリシャ語とか、一握りの人たちしか文字は読めなかった。字が読めるということが特権的で特権階級を形作っていました。こうした文字の占有というのは古代日本でもマヤ文明でも歴史の発展で人類に共通するものです。

さて当時のヨーロッパは、キリスト教、カトリックが今とはまったく比べ物にならないほど重要な位置を占めていました。

法律を知るというのは、貴族はとても大きな土地を所有しているので知識として必要だったということです。

医者はいまの医師とは意味合いがかなり違いますが(端的にいって外科よりも内科)、これは古今東西を問わず命にかかわるので貴族など特権階級は特に欲したということです。

そこからヨーロッパで大学は発展していきました。

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