見出し画像

「ありがとう」のハードルを下げる

「ありがとう」を伝えられていますか?

今の会社に転職してよかったことの一つに、「ありがとう」を素直に言えるようになったことです。
当社には会社のフィロソフィーがあるのですが、これは経営の神様、先日亡くなられた稲盛和夫氏が作った「京セラフィロソフィー」をもとに作られました。

この中に、「感謝の気持ちを持つ」という項目があります。京セラフィロソフィーには以下のように記載されています。

社内に人の和がないと、お客様に喜んでいただけるものはつくれません。なぜなら製品にはそれをつくる人の心が反映されているからです。ところが「オレがオレが」といった利己的な考え方では、社内に和をつくっていくことはできません。
私たちが今日あること、そして存分に働けることは、お客様や取引先はもちろん、職場の仲間、家族といった周囲の多くの人々の支援があるからこそです。決して自分たちだけでここまでこられたわけではありません。
このことを忘れず、常に周囲への感謝の気持ちをもち、お互いに信じあえる仲間となって仕事を進めていくことが大切です。

京セラフィロソフィーより

今の自分があるのは、自分が努力してきたから、というのは間違いないと思います。ただ、その努力ができたのは、先人の方々が土壌を整えてきたこと、また職場や家族など多くの人の支えがあったから。常に持てていそうでも、忘れがちな精神ではないでしょうか。当社のフィロソフィーとしてこの文言が「あえて」書かれていることは、自分にとってすごく影響が大きかったです。「感謝体質」になることで、人生が好転し始めた気がします。

「感謝体質」になってよかったこと

仕事でもプライベートでも、相手に対してイライラしたりすることはよくあることだと思います。それは、「相手に期待している」からというのが大きいと思っています。そもそも「相手への感謝」が前提となると、相手への期待というものが小さくなり、いろんな意味でよい思考につながっていきます。私自身、「感謝体質」x「相手に期待しない」で以下のような効果を感じています。

1.人間関係によるストレスがなくなる

ベストセラーになった、アドラー心理学がわかりやすく学べる「嫌われる勇気」を読んだ方も多いのではないでしょうか。この本の中で「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と書かれています。期待すれば裏切られることもあり、また期待された側にもプレッシャーになり、物事がうまくいかなかったときに、その関係性が崩れ始め、ストレスの種が生まれてしまいます。他人のありのままを認め、美点凝視でその人のポジティブな面を評価することで、人間関係はグンと良くなります

2.ベクトルが自分に向いて成長につながる

周りに期待しないので、何か解決したい課題、成し遂げたい目標があった時、自分を変えなければ前進はありません。解決策を自分の中や自分の行動、思考に求めることになるので、そこの試行錯誤で自分を大きく成長させることができます。
もちろん、その中で周囲の人を頼り、ヒントやヘルプを求めるのはアリです。その際に期待しすぎない、ということが大事になります。

3.精神が安定する

期待しないことで「裏切られる」ということがなくなるので、周囲が何をしたからと言って、自身のメンタルに大きな影響を与えることが少なくなります。また些細なことでも「ありがたいなぁ」と思えるようになるので、ちょっとしたことで幸福度が上がります。結果として、精神が安定して好きなことを存分に楽しみ、気が向かないことでも折れずにやり遂げられるようになります。

4.人に慕われる

上記をひっくるめて、間違いなく人に慕われるようになります。他人に期待しないことで、人に干渉しなくなり、人間関係も希薄になるのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし、想像してみてください。精神が安定していて、人に感謝の気持ちを持っていて、自分で成長しようという姿勢が感じられる。皆さんもそんな人が周りにいたら、いい人だなぁ、応援したいなぁ、と思うのではないのでしょうか。「いい人」の周りには「いい人」が集まるものです。

思うだけでなく、口にする

またここで大事なのは「実際に感謝を口にする」ことです。感謝されて嫌な人はいません。私も現職に転職して、大したことはしていないのに同僚から「ありがとう」という声を掛けられ、「そんなことでも感謝してもらえるなんて嬉しいな、自分もありがとうという言葉を返したいな」と思うようになり、日々実践しています。その結果、実際に上記のような効果・成長を実感しています。それは、仕事でもプライベートでも同様です。
また、「感謝を伝える筋肉は使わないと衰える」ということも伝えたいです。両親や奥さんなど、身近な人に感謝を伝えられていますか?身近だからこそ、中々言いにくい、小恥ずかしいと思う方が多いと思います。また、しばらく感謝の言葉を言っていないと、「まぁ今伝えなくてもいいか」という感じで先延ばしにすることも多いのではないでしょうか。しかし、いつ何が起こるかわかりません。私の両親も高齢なので、いつ別れが来てもおかしくないと感じています。「伝えたいときにその相手はいない」ということはよくあることです。またその逆もしかりで、3500人を看取ってきたホスピス医の小澤竹俊氏の「もしあと1年で人生が終わるとしたら?」にも記載がありますが、死の直前に後悔することの一つとして、「感謝や愛情などを身近な人に伝えられなかった」ことを挙げる方が非常に多いです。従い、いつでも言える、と思わずに、感謝を伝えられるときに伝える、いつでも伝えられるように日々些細なことでも「ありがとう」を言葉にして、感謝を伝えるための筋肉も慣らしておくことをお勧めします。

ぜひ、日々ありがとうを口にして、より良い人生を歩む一歩にしていただければ幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?