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2拠点生活のススメ|第121回|日本語の美しさを求めて

川端康成さんがノーベル文学賞をもらった際、翻訳された本が審査の対象になったことに苦言を呈し、もらうべきでは無いとも言ったらしい。日本語としての美しさが評価されたわけでは無い。それが気に入らないというのが理由だった。

言葉というものには国境があって、そう言われてみると海外の作品を読んで感銘を受けても、それは翻訳に感銘を受けたとも言えるわけで、文化も習慣も違う国において、作者の言葉使いの意図するところが分かるというのは、かなり難しい物なのかも知れない。

それでも海外の人々が、川端康成を評価する理由を知りたいという素朴な疑問から、「雪国」をもう一度読みかえしてみようと思い、図書館で借りてきた。随分むかしに読んだので、書き出しの「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」というフレーズ以外、さっぱり覚えていないのだが、改めて読み始めると冒頭の文章に続く「夜の底が白くなった」という表現にすでにグッときた。

この歳になって読んでみると何をかんじるのだろうか・・・楽しみだ。

川端康成という人は、大阪の茨木市出身なんですね。昨年から、茨木市主催の川端康成青春文学賞というのが設立され、作品の募集が始まっているよう。

選考委員は、羽田圭介さん、津村記久子さん、大野裕之さん。締切は令和3年10月31日ということのようだ。

我こそはと言う方は、ぜひご参加を。



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