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出版社で営業をやってみると、本の見え方や作り方も変わる!?

 いま、DU BOOKSでは営業のアシスタントを募集しています(*現時点での募集状況は弊社サイトにてご確認ください。募集告知が掲載されていない場合は募集しておりませんので、ご了承ください)

 出版社というと、編集希望の応募がほとんどで、積極的に営業をしたいという人は少ないんじゃないかと思う。そもそも出版社の営業ってなにをするの?ってわからないことも多い。
 古くは(私が学生の頃)、出版社で長年営業をされていた藤脇邦夫さんが書いた『出版現実論』という本があったし(ちなみに藤脇さんはマニアックな音楽書の企画者としても一部では有名)、最近では『重版出来!』という漫画でも営業の活躍は描かれていたが、こちらは大手出版社の週刊コミック誌が舞台なので、DU BOOKSという少人数の専門出版レーベルとはだいぶ違う印象……。

 私も営業職(訪店営業)からキャリアをスタートさせているが、営業経験がその後編集で学んだ何倍も本づくりに役に立っていると、はっきり言える。
 だから、未経験の若いうちに営業をやっておくといいよ!というようなことをここで伝えてみたいと思ったのですが、営業現場を離れて長い。そこで、実際につい最近まで営業スタッフをしてくれていた加藤さんが以前、社内向けに書いてくれた文章がとてもよかったので、アルバイトスタッフ募集の告知とともに、本人の了解を得て掲載します。ぜひふるってご応募いただければうれしいです!(DU BOOKS編集長 稲葉)

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本は移動する。どこに置くかを考える。

 私は「本は移動し続ける」というイメージを持っています。といっても何が何やらですが、要するに、発行されたあとも、誰かが購入しておしまい、ではないと言いたいのです。

 人に貸したりプレゼントしたり、古書店に売ってそれがまた人にわたったりと、一回の売り買いだけでは終わらないのが本の特長だと思っています。まあレコードやCDも同様なのですが、本においては再生装置も必要としない手軽さがあるのではないでしょうか。待合室に置いてある雑誌や、ラーメン屋に置いてあるマンガをなにげなく手に取ったら、その一冊がのちの人生を規定してしまうくらいの威力を持っている可能性だってあるわけです。

 本というのはまず編集されて印刷されるわけですが、そこから移動が始まります。出版営業は、その「最初の」移動をコントロールするような仕事です。

 本を求めている、もしくは潜在的にこの本を必要としているであろうお客様に的確に届けられるように、取次や書店とやりとりして、書店、ネット書店、レコード店など、どこにどれだけ置くかをつねに考えます。

 むろん、部数が多ければよりさまざまな場所に置くことができますが、その采配にも目を光らせます。さらに内容や体裁にも意見します。編集者が一見クリエイティブな仕事をしているように見えますが、結果的に出版営業は編集にも介入しているといえるのです。

本の見え方が変わってくる。

 こういった仕事を続けていると、本の見え方も変わってきます。「本が好き」という気持ちの中身は「◯◯さんの書いた本が好き」とか「装丁がカッコいいから好き」といった要素が大きいですが、それ以外の感覚も立ち上がってくるのです。

 大袈裟に言えば、新刊を見ているとこれはいい感じに移動してくれそうだな=売れそうだな、というオーラのようなものが見えてきます。外すときもありますが。そして、そういった見定めができるプロは、出版営業のみならず、取次や書店にたくさんいらっしゃいます。とくに書店員さんは、本単体のみならず、他の本との兼ね合い(棚の並び具合)などまで考えていたりします。その人たちと直にコミュニケーションすることで、本を見る目がより磨かれてくるでしょう。

 また、以前なら「これはあんまり好きじゃないな」とか思っていた本の見え方だって変わってきます。さらに、例えば営業を経験したあと、編集に携わることがあれば、すでにその能力をゲットしているかいないかで、作る本も変わっていくであろうことは言うまでもありません。(DU BOOKS企画営業 加藤)

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DU BOOKSアルバイトスタッフ募集は弊社サイトにてご確認ください。
https://diskunion.net/st/recruit/


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