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桃始笑 '24

咲く、ということを昔の人は笑う、と言ったらしい。

朝、目が覚めてXを開くと、ある女性からメッセージが届いていた。桃の花はまだ見れないが、花を眺めるような気持ちでメッセージを読んだ。スワイプする指先から花びらがこぼれるようなときめきを感じた。


梅の花の見頃が終わりはじめ、桜の蕾に世間の期待も膨らみ始めている。春の煌めきに似合いの桜の木はもちろん好きだが、寒い間の透き通った空気に両腕を広げる梅の木も大好きだった。
花の兄よ、一番に咲くあなたは今年も美しかった。来年も楽しませておくれ。


この間義妹の子(甥)を数時間だけ預かった。彼は娘より3ヶ月早く産まれ、3歳になったばかりだがすごく賢い子なのだ。
たった3ヶ月の違いでも、やはり娘のお兄ちゃん、という感じ。いや、どちらかと言えば「先輩」かもしれない。
お互い呼び捨てで、鳥の歌声みたいに笑いながら、手を握り合いながら名前を呼び合っていた姿がとても可憐で、平和だった。
その姿を思い出しながら、箪笥の中から童の小紋の着物を選びとる。
少しだけ2人に似ているな、と顔を撫でた。
今週のお稽古はこれを着て行こう。


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