知った中だけど初めての飲み会で、
身内自慢のような甘ぁい雰囲気の中、質問の矛先が私に回ってきた。

「思慮深いところ」

・・・しばしの沈黙。
「うちの奥さんめっちゃ可愛いねん！」を連呼する、
愛すべき50代おっさんは一瞬目が点になってた。

わからないかなぁ。
伝わんないんだろうな。

後から何度も考えなおして見たけど、答えは変わらない。
思慮深い人が好き。

「優しい」とか「かっこいい」とか普通の答えを待ってたんだろうけど、
じゃぁ優しいってなんなんだろう。
それは優しさなのか、甘さなのか。
判断に迷う時もある。弱さになることもある。

いつかはぁちゅうさんが言ってた、
「思考の深さがその人の人生の深さ」っていう言葉が。胸に響いた。

そう、思考の深い人は面白い。

例えば、一つの映画を見ても、
どうしてこのシーンで面白いと思うんだろう。
主人公はどうして、あんな行動をとったんだろう。
本当の胸のうちはどうなってるんだろう。
作者は、どんな思いでこの動きをさせたんだろう。
見た人の内何割が、このシーンを見て、納得したんだろう。
etc

いくらでも考える方向はある。
「あの映画おもしろかったねー」で終わるんじゃなくて、
いろんな角度からの妄想を広げれる人となら、なんでも無限に楽しめる。

18歳の時、初めて本気で好きになった人は、
哲学者だった。
トイレにエロ本と一緒にニーチェが積まれていて、
ニーチェに失礼じゃない？と突っ込んだら、
「哲学とサブカルのどちらが上なんて甲乙を付けれるのか」
なんて議論をまじめに展開するような人。

昼間からビールを飲んでキャンパスの芝生で昼寝する浮浪者を見て、
これが素晴らしい人生のゴールだ、なんて本気で憧れるような人。

ひどい振られ方をしたけど、
なぜか美しい思い出として残ってる。

思考が深い人は、自分の思考に固執しない。
（少なくとも私が好きなタイプの人は）

いろんなパターン、角度から考えるから、
他人の考えを聞く耳を持っているし、
それを比較検討する強さを持っている。

だから、考えが偏らないし、
でも自分の意見はちゃんと持っているから、
考えが深く、広く、面白い。

なんってことを、
飲み会のノロケ大会で語っても
ただの面倒なやつだから9割カットで説明したけど、
書きたくなったので書いておきました。

バレンタイ前夜に。

皆様、良いバレンタインを。