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日本の粕はカスじゃない

酒を絞った後の酒粕(さけかす)に魚や野菜を漬ける粕漬は、古くから日本人に親しまれている。その歴史は、平安時代まで遡る。

最初に酒粕の名が登場するのは「延喜御記(醍醐天皇の日記)」で、当時は茄子、冬瓜、茗荷などを漬けて食べていた。
米を原料とした酒はすでに奈良時代に存在し、その頃からつくられていたのではないかという説もある。

日本には四季があり自然も豊かだが、食材が豊富に収穫できる国土ではない。
そのため食材を無駄にしないで上手に「始末」し、さらに美味しくする術を身につけてきた。魚の粕漬も、そのひとつだ。

酒粕の香りは魚の生臭さを取り除き、旨味成分のアミノ酸が食感をしっとりと柔らかくして、素材の味をより一層引き立ててくれる。

丁寧に下処理を施した魚を酒粕に漬けることで、粕漬は芳香で豊かな味わいを持つ、美味しい調理法の一つとして確立され、進化してきた。

一流の酒蔵が精魂込めてつくり出した酒粕と、一切れ一切れ丁寧に身切りされた鮮魚。
冷蔵冷凍の技術が発展した昨今、グルメを唸らせる「嗜好品」として、その地位を確立している。

井川商店自慢の、カジキ・銀ダラ・赤魚の粕漬け。

ガンや糖尿病、うつ病の予防など、現代人が抱える病気の悩みを予防・緩和する効果も期待されている粕漬けを、ご家庭の冷蔵庫にぜひご常備いただきたい。