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格差社会に対するあがき

貧困ってやつについて、あんたはどのくらい考えたことがある?

俺たちオッサン世代は、子供の頃に高度成長期ってやつの中で過ごしている。
大量生産によって、物質的に急激に満たされていく時代の中で、俺たちは小型のカラーテレビで「全員集合」を見ながら幼少期を過ごし、すぐにテレビは家具調テレビに変わっていった。

家具調テレビになって、見るものが「全員集合」から「ひょうきん族」に変わりつつ、週刊ジャンプではドクタースランプアラレちゃんが大人気だった。

みんなでおんなじものを楽しんで、みんなで同じように豊かになっていく時代。
それが俺たちの子供時代だったんだと思う。

ところが、今やインターネットによって個をSNSというつながりを維持するための仕組みによってようやくつなぎとめて行かなければならないほど、俺たちの個は分断されていっている。

俺たちはYou Tubeで俺たちの望む情報に触れて、俺たちの時間ってやつを細切れに消費するようになった。

結果として、俺たちは個で世の中と対峙することになった。
正解の手段はインターネットで無数に提供されているが、どの「正解」を選ぶかは俺たちの「個」に権利と責任の両方が与えられている。

その状況が生み出したものは貧富の格差の拡大という至極当然の成り行きだ。

今回は、この貧富の格差ってやつについて考えてみる回だ。

なんとも救いがたい状況を俺たちはなんとか出来るんだろうか?

貧しさを感じるための環境

そもそも、インターネットに「正解」があるのにも関わらず、なんで俺たちは貧しい状態ってやつに陥ってしまうんだろうか?

こいつは俺の推論にすぎないんだが、おそらく俺たちの「貧しさ」って感覚が相対的だからってことなんじゃないかと思うんだよね。

高度成長期はみんなで同じように豊かになっていた。
国民総中流なんて言葉が出てくるくらいだからな。
そこにあるのは、国民みんなで昇っていくっていう何とも言えないような達成感だったはずだ。

国民みんなが豊かになって行くわけだから、相対的に俺たちは「貧しい」と感じることが難しい状況だったってわけだよな。

ところが、バブルは弾け、そこにインターネットが浸透してきた。

インターネットの出現により、個の力というものがストレートに俺たちの生活レベルに直結するようになってきている。

結果として、俺たちは貧富の格差ってやつを物理的にも感覚的にも捉える時代になってきているってわけだな。
俺たちの住む世界は貧しさを感じる機会に満ちあふれているってことだ。

企業が俺たちにもとめているもの

バブル崩壊とインターネット出現が同時期に起きていることってのは、偶然なのか?それとも、必然なのか。
その判断は後の歴史家に委ねるとしよう。

ただ言えるのは、インターネットによって、俺たちの個は物理的な連結をされながらも、お互いの意識や趣向はどんどんバラバラにされていった。
その結果、大量生産という方法は時代とどんどん合わなくなっていき、多品種小ロットの時代へと変遷していった。

大量生産が意味を失うことで、企業は今までとは別の戦略を選択しなければならなくなった。
大量のトライアンドエラーだ。

同じ仕事を同じようにこなしていれば利益が上がる世界は終わりを告げ、ものすごい勢いで変化し続ける世界に対して企業がついていかなければならないって状況だ。

大量のトライアンドエラーを組織的にやるってことは、大量の「失敗者」を作り上げることを意味している。

今の企業では、数多くの失敗と一部の成功によって成り立っているってわけだ。
それが意味することは何か?

企業内でも、成功を掴んだものと失敗を担わされたものの二分化が進んでしまうってことだ。

俺たちは好んで失敗はしないだろうが、失敗を積み重ねなければ企業としては生き残っていけないわけだから、一定比率の「負け組」を作らなければ生き残っていけない

こうやって、同じ企業に努めながらも貧富の格差ってやつは如実に出てくるってわけだ。

格差社会に対抗するために俺たちが出来ること

だとすれば八方塞がりじゃないかって?

まあ、そうとも言えるが、俺たちにはあがくための環境も与えられている。
奇しくもその環境は俺たちに貧富の格差を与えたインターネットによってもたらされている。

ありとあらゆる「正解」が玉石混交状態で点在しているインターネット。
ポイントはその玉石混交の中から真の正解を導き出すのが俺たちがあがく方法じゃないってことだ。

俺たちがインターネットから得られるものは、「信頼」なんじゃないかと思うんだよね。

自分の発信が信頼してもらえたり、信頼できる誰かの発信を目にしたりすること。
そして、その先にある信頼関係を作り上げること。

そいつが俺たちが格差社会に対抗するための唯一の方法なんじゃないかと思うんだよね。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちが生き延びていくため、子どもたちに生き延びさせるためにどんなあがきが出来ると思う?

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