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俺たちが作り込んでいる価値

あんたの周りに新人君っているかい?

ついこの間まで、10何年ぶりに新人君のトレーナーなんてやつをやっていたんだけれど、この間お役御免となって、その新人君は別の部署に移っていった。

多分異動先の部署でも元気にやっていてくれていると思う。なんつーか、ものすごい優秀なやつだったしね。

で、別の新人君が俺の部署にいるわけだが、この間ヒョンなきっかけでその別の新人君の奮闘記を聞くことが出来た。
中でも印象的だったのが「自分たちの単価が高すぎて勝負出来ない」といった趣旨の言葉だった。

今回は、この「俺たちの価値」ってやつについて考えてみようと思うんだよね。

まあ、おんなじところをぐるぐる回るような話かもしれないが、つきあってくれよな。

新人君の言うにはだ

その新人君の言葉を俺なりに解釈すると、「俺たちの単価って高いけれど、その高さに見合った価値って提供できていないような気がする」ってことだったと思う。

システムエンジニアなんてものをやっていると、たしかに似たような仕事を俺たち以外の会社も普通にやっている。

そして、俺たちが仕事を発注する先の人々も、俺たちの求めに応じておんなじような仕事をこなしてくれている。

だとすれば、お客にとって、うちの会社に発注するという価値がどこにあるんだろう?
それが、その新人君の素晴らしくストレートな疑問だった。

なるほど、ごもっともな疑問だ。

俺たちが作り込んでいるものを言葉にする

その疑問を受けて、俺なりの答えってやつを考えてみよう。

例えば、とある業務上の課題があるとする。

今回の消費税増税なんてイメージしやすいかもしれないよな。
消費税増税に対して、小売業のレジのシステムは少なからず改修をする必要があった。

単純に税率を上げるだけなら、設定を変えるだけで完了だったけれど、今回は軽減税率ってやつがつきまとう。
更に言うなら、ポイント還元やら、なんやらと検討すべき項目は結構な数に及んでいた。

なので、システム改修が必要になってくるわけだけれど、その改修作業ってやつを誰がするのがいいのか?

シンプルに考えれば、そのシステムを構築しているベンダーにその改修依頼をするってのが一番コストが掛からないよな。

何しろ「現状をできるだけ変えずに課題対応する」ってことが「現状」をしっているヒトにお願いできるってわけだからな。

俺たちがこの「そのシステムを構築しているベンダー」だったら、「現状を知っている」ってのが他のベンダーには無い強みってことになる。

本質的な強み

でも、そのシステムを前から担当していなかったとしたら、俺たちの強みってのはどこにあるんだろう?

品質保証のプロセス?
適切なコミュニケーションスキル?

実際のところの顧客の経営者層の意見はこんなところかもしれない。

「大手だから」

つまり、うまく行かなかった時に、青天井で保証してくれるという根拠は無いけれど、なんとなくの安心感ってやつなんじゃないだろうか?

システムを変えるってやつは、ものすごい勇気のいることだと思う。
何しろ、仕事のやり方を変えるってこととイコールなわけで、それまでまがりなりにも利益を上げてきたやり方を変えるって意味だもんな。

経営者としては、「変える」ってのは怖いものってことだ。

ところが、現実を見ると「変える」ことってのは、むしろ安定につながっているという事実もある。
考えてみれば当たり前かもしれないが、世の中の変化のスピードはえげつないほど上がっているんだから、それに対応するように変わっていけないと、生き残っていけないからな。

つまり、俺たちの価値は「変える」ことを後押しすることってことなのかもしれない。

俺たちは星の数ほどのシステムを作り上げてきた。
その多くが今も動いているし、なんなら継続的に改造もしている。
俺たちの先輩が作り上げたシステムを未だにメンテし続けていることもある。

その膨大な経験値が俺たちの価値なのかもしれない。

だとすれば、俺たちの価値はこうなる。

「大丈夫です。一緒にどうすればいいか考えましょう」と言う言葉に安心感を乗せる。

俺たちは、その言葉をきちんと実態を伴わせることが求められているってわけだ。

なあ、あんたの仕事はどうだい?

あんたの仕事の価値を新人君に伝えてあげてくれよ。

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