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ジェノサイド認定という踏み絵

あんたもジェノサイド認定って言葉をニュースで聞いていたりするかい?

どうやら中華人民共和国のウイグル自治区で行われている行為そのものについてジェノサイド認定ってやつがアメリカで2021年1月に行われたってんだよね。

それに伴ってアメリカが北京で2022年に行われる冬季オリンピックをボイコットするんじゃないかって話が出ているんだそうだ。

確かにアメリカ政府としてジェノサイド認定しているような行為をする国の首都で行われるイベントに正式に参加するってのはダブルスタンダードじゃない?って言われるのは普通に思うヒトは多いと思うんだよな。

今回は中華人民共和国に対してジェノサイド認定をするってコトとオリンピックについて考えてみる回だ。

ちっと世界が色分けされていく状況について考えてみようぜ。

ジェノサイド認定

まず、ジェノサイド認定ってのが何なんだって話だよな。

このジェノサイド認定については、1948年に国連総会で採択された「ジェノサイド罪の防止と処罰に関する条約」(通称「ジェノサイド条約」)で定められているんだそうだ。

曰く、次の5つの行為がジェノサイドってことなんだそうだ。

「集団の構成員を殺すこと」
「集団の構成員に重大な肉体的または精神的な危害を加えること」
「全部または一部の身体的破壊をもたらすよう企てられた生活条件を故意に集団に課すこと」
「集団内の出生を妨げることを意図する措置を課すこと」
「集団のこどもを他の集団に強制的に移すこと」
出典:上記サイト

で、この5つの行為に該当する行為が中華人民共和国のウイグル自治区で行われているってのがアメリカとカナダ、オランダで表明されたんだそうだ。

このウイグル自治区で行われていることについては、別のnoteで俺も書いてみている。

いや、なんつーんだろう?
ヒトってこんだけ残虐になれるんだっけ?って思うような内容だ。

進撃の巨人のようなたまらない残虐性と悲劇が現実に起きているってことらしいんだよ。

日本がジェノサイド条約に批准できない理由

でだ。
このジェノサイドが中華人民共和国のウイグル自治区で行われているって正式に言っている国はまだまだ少ない。

でも、世界に先んじてアメリカが認定したってのは結構でっかい意味が生まれると思うんだよな。

つまりは世界中に向かって「アメリカにつくのか?中華人民共和国につくのか?」って踏み絵をしろって言っているようなもんだもんな。

で、その踏み絵に日本はどう対応するのか?

現状では日本はジェノサイド認定をしていない。
っていうかジェノサイド認定を出来る状況にない。

どう言うことだって?
ジェノサイド認定をするには1948年に国連総会で採択された「ジェノサイド罪の防止と処罰に関する条約」(通称「ジェノサイド条約」)に批准している必要があるからなんだ。

うん?なんで日本はジェノサイド条約に批准していないんだって?

そいつはなかなかに根深い問題だぜ。

結論から言えば、原因は日本国憲法だ。

日本国憲法の前文にこう言う表現がある。

平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
出典:日本国憲法

つまりだ。
俺たち日本人はこの日本国憲法の前文によって「諸国民の公正と信義を信頼」することが前提だって定められているんだよ。

どの国であってもジェノサイドなんていう非人道的な行為をするはずがないと「信頼」するってことが憲法に書かれているわけだ。

ちっとにわかには受け入れがたいことだよな。
俺たちはありとあらゆる国の決断を「公正と信義」に基づいているってことを確信出来るんだろうか?
そんなのデキッコナイスじゃんか。

それでも憲法は俺たち日本人は他の諸外国の決断を「信頼」すると定義している。
いやいやいや、マジでどんだけ俺たちはこの憲法で縛られているんだって話だ。

この憲法の前提に立てば、ウイグル自治区でどんなコトが起きていようともそのことをジェノサイド認定なんてことを日本は出来ないってわけだ。

アメリカは北京の冬季オリンピックをボイコットするってことになるかもしれない。

カナダもオランダもって話になったとしたら、冬季オリンピックの主要国になる北米とヨーロッパが欠けることによって、オリンピックとしての体裁をなさない状況が出てくるかもしれない。

おそらく、アメリカはこのジェノサイド認定による踏み絵で世界を味方につけようって考えているはずだ。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちは憲法の足かせを認識しながら、この踏み絵にどう対応していくのが正解だと思う?

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