相手のことを考えた交渉
あんたのところの仕事も誰かとのやりとりってあるよな。
仕事のやり取りの多くが交渉って形をとる。
チームの活動に対して、予算を取る場合だってそうだし、顧客に対するプレゼンだってそうだ。
今回は、交渉事のプロフェッショナルの加藤有祐さんについて触れながら、交渉ってのに必要なことを考えて見る話だ。
ソフトバンクで4人しかいない「Win-Win交渉力」の社内講師
まずは加藤有祐さんってのはソフトバンクのビッグデータ戦略本部企画開発部部長とソフトバンクのグループ会社であるAgoopのCTOを兼務なさっている人物だ。
2007年にソフトバンクに入社して部長まで上り詰めていることからも分かる通り、バッキバキの実力派ってこったな。
そんな加藤氏だが、ソフトバンクの社内教育講座の講師を務められている。その講座の名前は「Win-Win交渉力」。素敵な名前だよな。
この講座ってのはソフトバンク社内に認定制度があって、ソフトバンク社内に講師が出来る人は4人しかいないんだそうだ。
交渉のプロフェッショナルって言っていいよな。
交渉に必要な5つの要素
そんな加藤さんが交渉に必要なものは5つあると言っている。
(1) 相づち
(2) 繰り返し
(3) 要約
(4) ペーシング(相手の話のスピードに合わせる)
(5) キャリブレーション (相手の変化を捉える)
この5つだ。この5つがあれば、相手が気持ちよく話せるように促せるという。
つまり、交渉とはいかに相手に気分よく自分の必要な情報をはなしてもらうかってことがキモなんだ。
ポイントは気持ちよく話してもらうってこと。
そのために5つの要素を意識して自分の必要な情報を引き出すわけだ。
例えば、商談で商談を受ける側の企業の決済者が知りたいとする。
そのときに、「この件の決済者は誰ですか?」とか馬鹿みたいに聞いちまうと、その聞かれた相手は「何だよ、窓口の俺じゃなくて決済者に直接話したいってことか?」ってなって、明らかに気分を害しちまうよな。
そうじゃなくて、「この案件が決定されるまでは御社内ではどんなプロセスを踏むことになりますか?」って聞けば「お、俺が交渉するための材料をくれるってことか?」ってなって、ちょっといい気分になる。
それが人間ってもんだからな。
相手の立場を踏まえた上でのWin-Winポイントの調整
交渉ってのは結局の所、自分に優位な条件を実現することが最重要課題なんだが、そこにだけポイントを絞ってしまうと、相手の都合も何も関係なしになっちまうよな。
その場はそれで良いのかもしれないが、それだと長期的には歪が出てくる。
無理やり価格を抑えた状態で発注したとしても、いざというときに役に立たない状態は不幸しか産まないからな。
だから、交渉は基本的にWin-Winを目指しておいたほうが良い。
ではそのために必要なことはなにか?
それは自分がのめる相手の求めることを探り出すことだ。
基本的にビジネスの交渉は価格に対する交渉になることが多いが、案外それ以外の要素があることも多い。
例えば、その発注を受けて実績を作りたいって思っている企業なら、価格面では調整が効くかもしれないだろ?
でも、「うちは価格は度外視です。実績がほしいんです」なんていきなり相手先が言うわけないよな。それこそ交渉なんだから。
だからこそ、聞き出すために5つの要素を意識して、その上で相手のためを考えることが交渉の基本ってことなんだな。
まとめ
相手のことを考える。相手の立場を考える。
そしてその考える材料を入手するために傾聴する。
つまるところ、交渉というのは相手の立場を理解して、落とし所を探す作業だ。
あんたはあいての立場に思いを巡らせているかい?
相手はあんたの立場を考えていそうかい?
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