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会社員生活の最初の分岐点の先にあったもの

あんたにも人生のなかで一歩踏み出したよなって瞬間の思い出ってのがあるかい?

俺みたいな会社員人生を過ごしていると、大抵の場合は自分で一歩踏み出すというよりは、周囲のヒトから一歩踏み出させられるって感じのことが圧倒的に多い。

俺の場合、システムエンジニアという仕事をさせてもらうなかで、大半の時期をフィールドエンジニアという仕事で過ごさせてもらった。

ざっくり言えば、顧客と直接やり取りして、その顧客が抱えている課題を何とかする具体的な方法を考え、そいつをシステムとして実現するって役割だね。

当然、顧客の課題ってやつを正確に理解しないとなかなかに辛い立場だ。

なので顧客の業務に対する知識を深めていく必要があるんだけれど、俺の場合、この顧客の業種ってのがめちゃくちゃ多岐にわたっていたんだよ。

今回は多用な業種に一歩踏み出した先の経験を振り替える回だ。

ちっと俺の思出話に付き合ってくれよな。

新入社員の時の決断

俺の場合、就職活動はワリカシ何て言うかトリッキーな感じだったと思う。

最初はマスコミを目指してたんだよ。

学生時代から文章を書くことをやっていたのもあって、表現によってなにかできるんじゃないかって思ってたんだよね。

でも、まあ見事に就職試験で跳ねられまくって、結果として今のシステムエンジニアって仕事に落ち着いたって話だ。

まあ、情報系の大学だから落ち着くところに落ち着いたってことなんだろうけれどね。

で、新人教育を経ていざ配属じゃいってなったときに、「お前はどこの部署に行きたいんだ?」と問いを投げられたんだよ。

長い会社員生活のなかで、最初にたった分岐点。

色々考えたよ。
キツくないところがいいなぁ、とか。
優しく指導してもらえるところがいいなぁ、とか。

まあ、今になって考えてみると、「お前は何をしたいんだ」という問いに対して「楽したいです」って応えるようなもんだったような気もする。

壮絶に仕事ってやつに対する認識がずれていたんだよな。

で、比較的労働時間が少なそうな部署を希望してみたとき、その当時の所属部署を調整してくれていた部長がこういった。

「おお?そうか?でもお前はこっちの部署の方があってると思うぞ」

そこで勧められた部署は、いろんな異業種を混在して扱う独立混成部隊みたいな部署だった。

そのときは「あれ?そうです?」くらいの軽いノリでその部署への配属が決まった。

考えてみれば、このときに俺の会社員としてのスタイルが決まったんだと思うんだよね。

多様な業種と向き合う

で、その多種多用な業種を扱う部署に配属されて、まず俺が組み込まれたプロジェクトは出版業のプロジェクトだった。

あとから考えてみると、出版業の業務って実に特殊なんだよな。

いわゆる売上管理の方法にしても、売上が上がるタイミングが他の業種と全然違うし、そもそも返品を大前提に据える委託業務販売だから、売上をマイナスするなんてことが通常業務になっている。

で、その特殊な業種知識を前提に仕組みを考えなければならなかったから、業務を把握するのにちょっと癖がついたような気もする。

そのあとも、公共事業に関するプロジェクトや不動産に関するプロジェクト、小売業のプロジェクトなどありとあらゆる業種に関わらせてもらった。

多用な業種と向き合って得られたもの

この多用な業種と関わることで俺が何を得たのか?

何回か書いているけれど、「相手の立場」ってのを想像する癖を身に付けられたってことかもしれない。

業務ってのは多くのヒトにとって、「なんでそういう仕事のやりかたをしているのか」ってのがわからないケースがほとんどだと思う。

前任者がそうしてたから。
ほとんどはそういう理由なんじゃないかと思う。

そういうヒトたちから「今、これに困ってます」と話を聞いて、その話のままシステムを作ると、他のところから「システムが変わって困ってる」という声が上がる。

つまりは、話をしてもらったヒトの先にいるヒトにまで思いを及ばさないと評価されないってわけだ。

そして、仕事ってのはシステムを使うヒト、その仕事によって新たな仕事を産み出すヒト、産み出された仕事によって恩恵を受けるヒト、その恩恵を使ってあらたな仕事をこなすヒト、と言う風に無限につながっていく。

そこに対する想像力。
それこそが俺が一歩踏み出した結果得たものなのかも知れない。

なあ、あんたはどうだい?

あんたの一歩踏み出した先にはなにがあった?

 #一歩踏みだした先に 


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