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健康で「居させられる」世界

医療の発展ってのがあるじゃんか?

俺たちが子供の頃、近所の病院に連れて行ってもらって、風邪薬を処方してもらったこと、あんたは覚えているだろうか?

俺の記憶によれば、処方してもらった薬は1種類くらいだけだったと思うんだよな。
法制度が変わって、薬を処方すればするほど医師の診療報酬が高まるって仕組みになってからこっち、俺たちに処方される薬ってのは、対処療法の細分化の一途を辿っていっている。

咳が出るのであれば咳止め。
熱が出ているのであれば頓服。
たんが出ているのであれば痰切りといった具合だ。

それそのものは別に善悪はないと思う。
医療の進展によって、よりピンポイントで効能がある薬ってのが分かってきて、その症状を見極める事例が溜まってきたってことでもあるからね。

ただ、それによって俺たちの医療費全体は増加の一途を辿っている。

今回は俺たちを取り巻く医療情勢ってやつについて考えてみる回だ。

ちっと、一緒に考えてみようぜ?

増加の一途をたどる医療費

まずはこのグラフを見てみてくれ。

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出典:nippon.com

俺たちが大学生だった頃に比べてほぼ倍の医療費がかかっていることになる。

なんでこんなに医療費が増えていっているんだと思う?

そう、あんたも想像した通り、お年寄りが増えているからなんだよな。

医療の発展に伴って、俺たちの寿命は確実に伸びていっている。

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出典:ガベージニュース

俺たちが学生の頃は76歳位だった男性の平均寿命が今や81歳となっている。

この20年で5年寿命が伸びているって計算だ。そのままで推移するとすれば俺たちは100年は平均で生きる生き物になるってことになる。

100年生きさせられる世界

ところが、この100年生きるってのは俺たちヒトが自然に生きていることで成し遂げられるものではない。
特にバイオセンサーとIoTの発展によって、俺たちの健康は常にモニタされる世界がすぐそこに来ている。

そうなったら何が起きるのか?
あんたはどんな想像をする?

俺たちの脈拍や、血圧、体温、汗のかき具合、血糖値などありとあらゆる生化学的データがリアルタイムに集計され、ビッグデータとして解析されていく世界。

それが意味するのは、俺たちが常に何らかの病人に仕立て上げられる世界だ。

そもそも完全な健康ってなんだって話だが、俺たちの健康は常に何らかのリスクを負っている。

ウイルスの流行だったり、空気の乾燥だったり、ストレスだったり、運動不足だったりする。

その事細かな情報から推奨される俺たちの行動。
今日はマスクをしたほうが良いですよ。に始まって、今日は軽くジョギングしてみましょうか、だの、朝食には納豆を加えましょうだの。

ありとあらゆる健康リスクへの対処があんたの携帯からあんたへと伝えられる

その情報を元にあんたは判断することになるんだが、あんたの携帯の言っていることは、あんたの健康状態をモニタした上でのリコメンドなんだから、反対する理由はほとんどない。

俺たちの行動は俺たちが気ままに決められない世界がすぐそこに来ているってわけだ。

医療の発展と少子化

こうしたバイオセンサーとIoTの発展による俺たちの健康管理が常態化したときに、俺たちには更に深刻な課題が突きつけられるはずだ。

つまり少子化だ。

男女が同じように働き、同じように人生を生きているのが当たり前となっている現代。

労働時間そのものは働き方改革の名の下、減少傾向にあると思う。

そうであれば、プライベートが充実して結婚するヒトも増えそうなもんだが、実際の晩婚化の勢いはとどまるところを知らない

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出典:kingfisher

俺らが学生だった頃からざっくり4歳平均結婚年齢が増えている。

働き方改革があーだこーだ言われているここ数年でもその増加傾向は一向にとどまることを知らない。

これは何を意味しているのか?

俺たちはネットによってありとあらゆる「正解」をかんたんに調べることが出来るようになってきている。
そして、その検索結果は俺たちの検索という行動っていうビッグデータを解析した結果を反映した鏡のようなものだ

つまり、俺たちは結婚を遅らせる、もしくはしないという「最適化」をされているってことになるんじゃなかろうか?

確かに結婚して子供を設けるってのは一大リスクだ。
俺たちの健康をモニタしているAIからすれば、個人として子供を設けるってことはもしかしたら犯し難いリスクを犯しているって判断されるのかもしれない。

自分ひとりで生きていくことのほうが、今のセーフティネットで守られた社会においてはリスクが少ないって判断もあるのかもしれない。

だとすると、晩婚化、少子高齢化って流れは止めることなんて出来るはずがないってわけだ。

とすれば俺たちはその時代に対応していく必要がある。
つまり、お年寄りでも経済活動を始めとした多くの活動で世の中に関わっていける状態に持っていかないと話にならない。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちがお年寄りになる時代に、俺たちはどうやって生き残っていこうか?

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