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RFPという難題

あんたの商売ってのはどんなふうに始まるんだろうな?

例えば街の理髪店なんかを想像すると、まず自分の店が認知されるための行動から始めるんだと想像する。
チラシみたいなのをまくパターンもあるだろうし、どこかの既存のお店で美容師として働かせてもらって固定客を獲得しつつ、新しいお店にその固定客を誘導するようなパターンもあるだろう。

俺たちシステム屋の場合、大抵の場合は顧客からRFP(Request for Proposal)ってのをもらって、その要求事項を理解しつつ、その斜め上のシステム提案をして受注するって感じで商売が始まるんだ。

ところが、このRFPってのがまた実に厄介なんだ。

今回はRFPについて考え直してみる回だ。

あんたのところのシステムを見直そうってときにまた見てくれよな。

RFPって何か

そもそもシステム屋やシステム部門に携わっていないと、RFPって言葉すら聞いたこと無いってヒトが多いんじゃないかって想像するんだ。

ざっくりいうとこんな感じかな。

(1)今の自分の商売の状況は前と違ってこんな変化が起きている
(2)今の業務の仕方だとその変化に対応できていない
(3)なので業務をこう変えたいけれどシステムが対応できない
(4)なのでこう言うシステムが必要だ
(5)他のシステムとの関係もあるから、こう言う制約事項がある
(6)でおいくら?どんだけ期間かかんの?

って感じだな。

つまりは、今抱えている問題と解決方法についての考えを書いて、それをもとに俺たちシステム屋に提案をしてくれよってことだね。

提案と提言

この提案ってのが何者なのか?

これは最近改めて教わったんだけれど、提案と似た言葉に提言ってのがあるじゃんか。

この二つの違いって考えたことあるかい?

辞書を眺めてみても、あんまり違うことが書いていないんだけれど、なんかニュアンスが違うってのは感じるじゃんか。

教わったのは「主体性の有無」ってことだったんだ。

提言ってのは、「あなたはこうした方が良いですよ」って意見を述べること。
提案ってのは、「私たちはこうした方が良いですよ」って意見を述べること。

って感じか。
日本語って主語をすっ飛ばすのが普通だから、この二つの言葉の違いに気づきにくいんだよな。

で、RFPってのは「提案」を求めるものだ。
つまり「俺たちと一緒に考えてくれ」って文章ってわけだな。

RFPを作る側のヒト

でだ。
ここまで整理し直した上であんたはどう思った?

RFPって作るの難しくね?

そうなんだよ。難しいのよ。

そもそも、「なんで自分たちの商売がうまく回っていないのか」ってことを認識するのがエグい。

あんたの仕事にもあるだろ?
なんでこの作業をしないといけないのか分からないことって。

その作業を最初にやり始めた頃には明確な意図があったと思うんだ。
後続の作業をスムーズにさせるとかね。

ところが仕事環境は外部環境、内部環境ともにどんどん変化する。
その変化に伴って、仕事のやり方も変化する。

ところが、その仕事の変化を俯瞰的に眺めるってのは実に困難なことだ。
何しろ業務の実態を把握しながら、それをつなぎ合わせて整理するって仕事をやる立場のヒトがそもそもいなかったりする。

それだから、コンサルだとか俺みたいなITコーディネイターと呼ばれるヒトに依頼して業務の整理をし、不必要な業務を洗い出しつつ、不足している業務を整理し、そのために必要なシステムと不必要なシステムを洗い出す。

それで初めてRFPが作れるってスンポーだ。

この難しさ故にちゃんとRFPが出来るってのは稀なんだよな。

その結果、なんとなくこんな機能作ってよみたいなRFPになりがちで、それをもとに色んなところに提案してもらうと、本当にバラバラな提案が集まって、どの提案が良いのかを判断するのがめちゃくちゃ難しくなる。

で、判断ができないから値段だけで判断しちゃうと、ものの見事に「思ってたんと違う」何かが出来上がるってやつだ。
そらそうだ。そもそも「思って」ないんだから。

なあ、あんたならどうする?

あんたの仕事を改革するシステムのRFPを書けって言われたら何から手を付ける?

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