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国民民主党が「一流アイドル」になるための4つの提案

割引あり

総選挙は秋か?

 通常国会会期末に予想された衆議院解散はご存知の通り回避された。しかし9月の内閣改造後、秋に解散されるのではないかと専門家たちは見ている。仮に前回同様、10月解散としたらもう3か月しか猶予は残されていない。にもかかわらず依然として候補者発表は加速せず、戦う顔が感じられないとの嘆きも見られる。確かに事前予測を上回る3議席増の11議席を獲得した前回総選挙の結果は我々を勇気づけた。しかし、このままでは次期総選挙において躍進する日本維新の会と野党第一党の立憲民主党に埋没する可能性が高い。



 我々が目指すべき最後の勝利、少なくとも11議席を上回り、結党の精神を誇示し政界に革新を与えるとするなら今からでもできることはある。良いところはあるけど少し残念な地下アイドルと評される現状の立場を脱し、ゆくゆくは政界に君臨する、あのアイドルのような「一流」を目指すべく、単なる一支持者の妄想、想像、希望に過ぎないが、もし自分が国民民主党を指導する立場にあるならこうしたいということを申し上げたい。



①優等生的言動からの卒業

 国民民主党は言ってることは何となく納得できるが優等生の綺麗事に見えるという声を聞く。言い換えるなら専門的で、紳士的で、抑制的な政治活動をしているということだろう。確かに政治知識が豊富で、国会中継をチェックし、新聞の政治欄を熟読する玄人にはウケる姿勢である。しかし1億の有権者を前に共感と喝采から生じる一票の獲得を目指すとき、この姿勢は勝利に結びつくだろうか?残念ながら平均的な政治知識を有する国民の心には刺さらない。もっと簡潔に、粗野に、アグレッシブな表現を目指すべきである。



 政策を論じるとき我々は自然と専門用語を用い、政局や政治活動を評論するとき業界用語を使ってしまう。我々の中では共通の理解の下、自然に使われ自然に理解され自然に会話や演説が続けられる。しかしこれはあくまでも我々のムラの中での当たり前であり、諒解事項に過ぎない。例えば、ワイドショーしか見ないおばさんに「ベースロード電源」「エネルギーのベストミックス」「原子燃料サイクル」などをキーワードに原子力発電の活用を訴えても理解されない。おそらく「怖い」という根拠も何もない感情で引き続き反対されるだけだ。



 それよりも「今より電気代が◯◯◯◯円安くなる」という目先の利益に絞って訴えかける方が心に響くはずだ。福島第一原発事故のような事故が再び起こる確率を考えさせず、電気代が安くなる未来を提示すべきなのである。今回はエネルギー政策を例に説明したが、他の分野でも同様である。演説や呟きに限らず、私が特に嘆かわしく思うのが「ビラ」である。我々は、ポストに入った政治ビラを党派問わずに熟読するだろうか?おそらくゴミ箱へ直行だ。にもかかわらず各種ビラは細かな字で盛り込めるだけ盛り込んだ自己満足にあふれた宣伝しかしない。「賃上げ」「値下げ」「減税」といった見出しさえ見てもらえれば儲けもんという構図にして、とにかく短く、明瞭で、有益なワードを何度も何度も見聞きさせるべきだ。



②中道からの実質的卒業

 国民民主党は結党に際して党綱領に「穏健保守からリベラルまでを包摂する国民が主役の改革中道政党を創ります」と銘記した。しかしこれも正直言って優等生的言動の一つでしかない。要する漠然とした概念を軸とするため、有権者はこの党の体質、特徴、キャラが分からないのだ。また、理念と政策の方向性においては「リベラル・保守といった単純な二項対立や、特定の主義主張に拘泥するのではなく」と改革中道の理念を訴えるがこれもまたお行儀のいい子の満点回答に過ぎない。国民が欲するのは綱領に忠実な政治家より、現実の国家国民に利益をもたらす指導者だ。綱領を書き換えろとは言わないが、これに縛られる必要はないだろう。



 つまり保守かリベラルかどっちかに重点を置けということだ。私は保守に傾けるべきだと思う。それは一つの価値観、歴史観、世界観を決定しやすく「普通の」国民を団結させやすい理念であり軸であるからだ。この軸が定まると党の顔が分かり、党の信念が明らかになる。大衆は安心して組織する集団に意思を託せるわけだ。保守とはすなわち万邦無比の国体を体現する「皇室・天皇」そしてそれを一君万民の下で支えてきた「日本民族」がキーワードになる。こう表現するとバリバリの保守政党のように見えるが「象徴天皇制を中心とする今の国のあり方を守ります」「日本人の持つ良さを私たちは受け継ぎます」という表現の言い換えれば穏当に聞こえてくる。


 
 中道に心地よさを覚えるのは政治を熟知した現職の政治家や熱心な党員に限られると思う。あえて中道にこだわるなら「中道から右を包摂する国民政党」という立ち位置を明徴すべきである。旧民主党から残存するリベラルな気風に憧れ、支持する一部の既存支持者は離れるかもしれないが、それよりも得られる無党派、保守層の支持を優先すべきである。二項対立はダメだと定義しながらそれを実質的に放棄する形になるが、白か黒、善か悪、陽か陰という世界観が一番分かりやすく、面白い。国民に提供すべきは坂道を駆け上がる希望の「物語」だ。



③団結と勝利のための明確な敵を作れ

 「対決より解決」という高尚な理念を有する国民民主党であるが、課題解決のためには国家国民が抱える問題を抽出し、批判すべき存在、抑制すべき思想、嫌悪すべき世界観との「対決」が結局は避けられない。率直に言えば政治とは絶え間なき対決と解決のための運動であり、闘争だ。そう思うと国民民主党が対決すべき敵はただ一つ、共産主義者だろう。色々対決すべき存在はあるが、国民民主党への共感と声援と一票に寄与する「無能な敵役」を演じてくれるには共産主義者がお似合いだからだ。



 国民民主党の基本精神の一部は旧民社党に由来する。後継団体の民社協会が支援組織に組み込まれていることがその証拠だ。そしてその民社党は「左右の全体主義と対決」するという反共政党の側面を持っている。したがって旧来からの支持者を糾合しやすく、共産党は国民の中に漠然と持つ不安を一気に回収しやすい。もちろん自民党も反共政党の側面を持つが、戦う土俵が違うため殊更ここにこだわって戦う必要がない。一方で国民民主党は比例票を見るように競った存在が共産党である。「共産党より比例票を獲得する」という団結した目標を掲げるにもうってつけの敵だ。



 もちろんここで共産党批判をするために「国体を否定する共産党」「公安に監視されてる団体」とテクニカルな言葉を使う必要はない。ただ簡潔に
・天皇が日本からなくなってもいいの?
・自衛隊を廃止して日本は守られるの?
・自由な話し合いができない人に力を与えていいの?
と語りかけるように、共産党が目指す未来が祖国の絶望に寄与すると示唆すべきである。もちろんこれらは雑な訴えであり、この一派からは理屈っぽい猛反論が来るだろうが、本質的に日本人に受け入れられないことを夢見る共産主義者への批判としてだいたい正解していればOKである。



④新しいメディアと握手の最大活用

 国民民主党が得られる国会での質疑時間や新聞・テレビでの紙面に割かれる量は極めて少なく乏しい。衆参21議席しかない小さな存在だからだ。実際の仕事現場や既存メディアでスポットライトを浴びられないなら、違う土俵を自ら用意するしかない。そう思うと主戦場の一つにすべきはTwitterやInstagramといったSNS、YouTubeやABEMAなどの動画サイトである。これらは原則無料で利用できる新しいメディアだ。世代による普及度の違い、玉石混交の情報の海という問題点もあるが、国民民主党が強みとする若い男性を主要顧客にして躍進するための橋頭堡にするにはピッタリではないかと思う。



 法やリソースの制限・制約がないこうしたコンテンツを活用することで硬派な政策解説や主張、ソフトな人柄や職業紹介など何でもできるし、政治的世界観を暗に訴える音楽や映画、物語などを作成することもできる。もちろんこのときも簡潔で明快な主張が好ましい。とはいえこうしたネットの活用はこれまでにも散々多方面から主張されてきたことである。そしてこれに限定した政治宣伝は残念ながら失敗する。心に突き刺さるには不十分であり、それを補完するのが政治家と有権者の現場でのふれあいである。



 要するにとにかく顔と顔を合わせ有権者とお話を重ね、握手をし気持ちをぶつける回数を増やすのだ。握った手だけ掴む票は大きいと心得て積極的な政治運動を展開すべきである。つまり政策の良し悪し、政党の良し悪しは二の次三の次であり、いかに候補者が地域に根ざした会いに行ける政治家となって顔を売れるかどうかにかかっている。その点で言えば地下アイドルから一流アイドル問わず、握手会やお話し会は頻繁に行い、一緒に写真を撮ったり、サインをプレゼントすることでファンとの距離を縮めている。それを政治家も冗談と思わず握手、会話、写真、サインくらいはやって当たり前という意思を確立してほしい。支援者は理屈では掴めない、一瞬の感情の高まりと切れ目のないふれあいから生まれる親しみの想いから形成されるのだ。



番外・来る代表選を激アツイベントに演出せよ

 そして解散総選挙はいつになるかは岸田総理のお気持ち次第だが、国民民主党の党代表選は確実に今年の9月に行われる。そんなに多くはないとはいえ確実に存在する党員の士気高揚のビッグイベントにして党は諸君らと共にあるという意識と物語をぜひ作成してほしい。おそらく現職の玉木代表は立候補するだろうが、無投票当選は最悪最低の筋書きである。こんなハラハラドキドキもない凪の状態を総選挙前に作られたら選挙での敗北は近いと思っていい。それが許されるのは圧倒的に数を誇り、党代表の指導者精神が浸透し、団結の持続こそ我らの勝利と意識できてからである。まだまだそれらが欠けた国民民主党だからこそ代表選という一つの試練・行事を全体で経験すべきなのである。



 個人的に出てほしいのは榛葉賀津也幹事長だ。榛葉幹事長がプロレスファンであることからも期待するのだが、ある種のストーリー(ブック)のもとで役割を演じ、それを代表選で最後まで全うし得る貴重な存在である。そして「情熱の男」と自称するように言動に気迫があり、盛り上げてくれる人柄である。どちらが代表になっても組織はまとまるし、人望はある。一支持者の希望ではあるが、勝利を達成した古今東西の政党や政治家の例と愛されるアイドルグループに共通する活動を参考に4つの提言をした。少しでも採用されたら嬉しい😄

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