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隠し刀は歴史に要らなかった『Rise of the Ronin|ライズ オブ ローニン』


ゲーム概要

1863年、日本。
徳川幕府による圧政が始まってから300年、突然現れた黒船によって日本は混乱の渦に呑まれた。戦争、疫病、政治不安による混乱の最中、名もなき浪人が己の道を切り開く。

自分だけの物語
名もなき浪人として、己の運命を切り開け。どんな判断を下すか、誰に味方するかで物語は変化する。歴史上で重要な人物を暗殺するのか、守り抜くかなどの重大な決断を下していき、自分だけの歴史を作れ。

シンプルで奥深い戦闘
『仁王』や『NINJA GAIDEN』の開発チーム「Team NINJA」が贈る『Rise of the Ronin』では、どんなプレイスタイルでもシンプルで奥深い戦闘を楽しむことができる。さまざまな近接武器や銃火器で敵に立ち向かえ。

美しい世界を探索
幕末期に幕府は崩壊。新時代が幕を開け、西洋と東洋が衝突する。オープンワールドで、歴史上の重要人物やさまざまな人物たちと出会い、激動の時代を体験しよう。

PS Storeページ
https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP9000-PPSA17823_00-RONINEDITEDGAME1

プレイ状況

プレイ時間65時間でクリア
トロフィーコンプ済み
最高難易度かつエンドコンテンツの「暗夜」はほぼ未プレイのため本レビューでは触れません

不満ゼロの快適性

本作は幕末を舞台としたオープンワールドのアクションゲームとなっている。
シナリオの進行によって横浜、江戸、京都とマップが増えていき、各地で発生しているオープンワールドに欠かせない拠点攻略やランダムミッション、収集要素も十分な量があり、スカスカ感は全くない。

フィールド上のインタラクト時のアクションも最低限の長さに収まっているため、テンポの良い探索もできる。
また、馬による長距離移動や高所からの滑空も可能なうえ、鉤縄によるワイヤーアクションで屋根上などへの移動も楽と、とかくフィールドの探索・移動に関してはこれ以上ないほど快適となっている。

ユーザー補助機能も比較的充実しており、画面系の設定やエイム補正などのオプションはもちろん、アイテムの自動取得などのテンポに直結するものや、頭装備の非表示という私のような見た目重視プレイヤーにも嬉しいオプションまで揃っている。

クリアして今振り返っても、快適性という点で不満に感じた部分が見つからない。
そのレベルでプレイヤーの目線で必要な要素を盛り込んでいると言ってよく、とても好感の持てる仕上がりになっている。

戦闘は面白いがボスの強さはヤケクソ気味

本作はTeam NINJA開発だけあって、これまでの実績の流れを汲んだ安定して質の高いアクションが楽しめる。武器種も多く、刀、槍はもちろん、大剣、二刀、銃剣、牛尾刀、薙刀、サーベル、大太刀が用意されている上に、各武器で複数の流派を切り替えることができる。

武器ごとに習熟度も設定されており、自分の好きな武器・流派を極めることで強くなっていけるのもロールプレイとして嬉しい要素だ。
ちなみに私は通常時は木刀の立身流、隼流、愛洲陰流で不殺プレイ、強敵相手には二刀で無明流、二天一流、鏡新明智流で殺傷プレイというロールプレイでやっていた。

戦闘システム自体はやはり「仁王」が近いかと思う。
ただ、石化(パリィ)が標準でできたり、手裏剣や短銃を戦闘中に扱えたり、敵の気力(体幹)を削ることで追い打ち(致命)を加えたりと、同系統の他ゲームの要素も取り入れている。
自分にも気力があり、連続攻撃やガードを繰り返しているとスタミナ切れを起こすが、敵を攻撃した際に刀に付着した血を払う「閃刃」を行うことである程度気力を回復することもできる。
自分の気力を管理しながら相手の気力を早く削るのが本作の戦闘のキモと言っていいだろう。

もちろんバックスタブや屋根上からの飛びかかりや鉤縄による暗殺も可能だ。

ただし戦闘の難易度は比較的高めと言える。
標準難易度の黄昏でもネームド相手だと死ぬことも多かった。
それでも慣れてくると各武器、流派のパリィタイミングなどもつかめてくるので、雑魚や中ボスレベルなら中盤までには有利に戦えるようになる。

と思いきやそんな中盤からはボスレベルの敵がいよいよ人間離れした動きや、状態異常や飛び道具を使い始めてくる。
スタミナの回復手段があるとはいえ、ボスレベルの敵はガードの上からスタミナを削りきって追い打ちをかけてきたり、危険攻撃をパリィしてこっちのターンかと思えば、スーパーアーマーで危険攻撃を連続してきたりと、プレイヤーの行動を潰す攻撃を行ってくる。
この辺りはちょっとヤケクソ気味な調整で、理不尽に感じる強敵も多かった。
具体的には中岡慎太郎、斎藤一、土方歳三、モロー、そして特に片割れは厄介だった。

シナリオはあっさりめ


ネタバレを含むので未プレイの方はお気を付けください。



本作は幕末が舞台とだけあって、史実に沿いつつもオリジナルの要素もふんだんに取り入れたシナリオが展開される。具体的には黒船来航から大政奉還までの間の歴史のダイジェストがメインストーリーになっている。
日本史にあまり明るくない私でも知っている名前が数多く登場し、各人との因縁を深められるサブミッションも用意されている。

主人公は本作オリジナルのキャラクターであり、「隠し刀」という二人一組の忍者的なものだったが、藩命で黒船のペリーを襲撃した際に返り討ちにあい、隠し刀の片割れと生き別れとなってしまう。
片割れを探して横浜にたどり着いた主人公は坂本龍馬と出会い、歴史の中心に巻き込まれていくこととなる。
というのが導入だ。

メインストーリーを進める上では中盤から佐幕派・討幕派のどちらかにつくことになるが、主人公は終始どちらに定着するということもなく、様々な勢力に肩入れして人々と交流することになる。
また、どの勢力に肩入れしたかによってミッションが変わることはあるが、そもそも歴史に沿っているのでストーリーは変わらない。
ゲームの仕様とはいえ、ついさっきまで斬りあっていた相手の拠点に出入りして交流を深めたり、時々によって肩入れする勢力を変えたりできるのは流石に節操がなく、違和感のある要素ではあった。
また、史実を基にしたメインストーリーは先が気になる内容であったことは確かだが、かなりざっくりダイジェストにまとめられていたうえ、終盤の盛り上がりに欠けており、なんとなく消化不良感も感じた。

また、生きていた片割れが将軍の命を狙ったり、江戸開城の妨害を図ったりと国を燃やすことに執着していた理由が、戦いの中で求められる隠し刀である主人公の居場所を作ること、というあまりにキモいものだったのもいまいちだった。
主人公と生きられるためと言いながら、戦闘の難易度が完全にこちらを殺しに来ているところも腹立たしい。
というか主人公が最序盤で死んでいればこんなことにはならなかったんじゃないかと思うレベルで片割れがやらかしているので、もうお前めんどくさいわ!俺が死ぬわ!それで丸く収まるやろ!となるシナリオだった。
と思ったが主人公が死んだら死んだで国に復讐とかしてそう。
個人的には再序盤で離ればなれになった片割れにはあまり愛着もなければ、メインストーリーで会うたびに煽ってくるので、本ゲームで唯一好きになれないキャラだったと言える。
主人公含め隠し刀自体がそもそも色んな意味で負の要素だった。
正直坂本龍馬が主人公の方が良かったかも(龍が如く維新があるとはいえ)

ただ史実を基にしたストーリーは安定して面白かった。
サブミッションも豊富で各登場人物が非常に魅力的に描かれており、味方も敵もカッコよかった。
改めてその時代のことを勉強しなおしたいという思いに駆られるくらいには歴史の名場面をよく描けていたと思う。


さいごに

ざっくり言って本作は、
近年オープンワールドゲームのいいとこ取りをし、
遊びやすい調整や、探索、アクションもかなり高水準である一方、
尖った要素(本作でしか得られない要素)は幕末が舞台という点くらいで、
それもダイジェスト過ぎてちょっと薄い、というのが玉に瑕

以上が全体的な感想だ。
プレイする価値は十分にある面白さもあり、
幕末が好きなら「にやり」とできるであろう要素もちりばめられている。
またオープンワールドとしてかなり遊びやすいので、戦闘難易度を落とせばオープンワールド初心者にもお勧めしやすい。

個人的にはあと一つ尖った要素、例えば数年後に「あのゲームのアレおもろかったな」となる要素があればなお良かったと感じる。
ともかくプレイして良い経験になるゲームだった。

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