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旧友

お年玉つき年賀ハガキの当選番号が発表されていましたね〜年賀状はもう何年も書いていませんが😅
景品も様変わりしていて時代の変化を感じます。
切手シートも枚数がセコくなったのね💦


2010年の12月でしたか、新聞に「学生時代の旧友5人の喪中ハガキが届いた。遠方の友人が気になり電話をかけた」という投書がのっていました。

毎年、手紙のやり取りはしていたけれど、電話は5年ぶり。電話に出たのは奥さまでした。しばらく話をした後、友人の懐かしい声、元気な声を期待していたら
思いももよらぬ言葉が耳に。

「実は夫は3年前に他界しました」

そんな……じゃあ毎年届いていたあの手紙は……?

手紙は奥さまがパソコンでご主人のかわりに書いていたのです。年齢も80歳近いのですから、自筆から印字になったとしてもそれほど違和感はなかったのでしょう。

何より奥さまの「悲報を知らせたら学生時代からの心のつながりが途絶えてしまう」という強い気持ちが文面に込められていたに違いありません。

奥さまはご主人にいつも届いていた郵便物や荷物などが少なくなったことにも寂しさを実感していました。同時にご主人の存在が関わりのあった方々の記憶から消えてしまうこともこわかったのだと思います。

肉体の死とまわりから忘れ去られる二度目の死、ご主人をそんな状況におきたくはなかったでしょうし、お友だちの心も大切にしたかったに違いありません。

「ずっとだましていたのか」
「自分はバカにされた」

こんな風に思うことなく、奥さまの思いやりに感謝して投書されたご友人もまた素晴らしい方だと思いました。この方の一文により、たくさんの人々の中に「懐かしい大切な友だち」は存在するのですから。


皆さまの記憶の中で生き続けている愛しい方々が、いつも笑顔でありますように。