OT

奥田民生が好きだった。
あの気だるげな感じ、
ジーンズとTシャツでキマる感じ、
歌声にメロディと歌詞
全てが完璧だった。

奥田民生になりたかった。
高校生になったら、放送室から勝手に彼の曲をかけたかった。
そして、"何かが変わると思ったけど変わらなかった"とか言ってみたかった。
放送室が無かった。

奥田民生になれなかった。
ギターを練習し、歌を歌った。
バンドをやる友人がいなくて、
気がついたら僕は他の道を歩んでいた
それはそれでよかった。

奥田民生にならなかった。
僕は結局、奥田民生にはなれなかった。いや、ならなかった。
僕という存在意義を見出した。
彼には彼の、僕には僕の素敵な部分があると思う。
僕は奥田民生にはならなかった。

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