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ケンタッキー州とケンタッキーフライドチキンと僕(エッセイ)

アメリカのケンタッキー州をご存知だろうか。

アメリカ中東部に位置し、面積は全米37位。野球のバットのメーカーとして名高い、ルイビラススラッガーの本社があるルイビルが最大の都市。有名なものは、全米屈指の人気レースであるケンタッキーダービー、バーボン・ウイスキー、ケンタッキー大学のバスケ、そして何と言ってもケンタッキー・フライド・チキン(以下KFC)だろう。

KFCは、その名の通り、ケンタッキー州にて産まれた。本社は今でも、ルイビルにある。1952年の設立後、アメリカ中を虜にしてきた。日本の人は、ケンタッキーといえばKFCだろうが、アメリカの人も殆どがKFCと競馬くらいしか、ケンタッキーに関する知識がない。そのくらい、インパクトのある会社だ。

そんなケンタッキー州に、筆者は4年間いた。帰国後、自己紹介でケンタッキー州から来ました、という。すると、100%の確率で、こういう事を聞かれる。本場のKFCってどんなの?、と。

しかし、筆者はこれに答える事が出来ない。鶏肉が嫌いなので、KFCに行く事がないからだ。だから、ケンタッキー州のKFCの事は、なーんにも知らない。

そして、もう一つ言いにくい事実がある。別に、本場だからといって、そこまで日本とは変わらないらしい。父と母と妹の三人の意見を統合すると、違いは値段だけだそうだ。アメリカの方が圧倒的に安い。後、高確率でピザハットと隣合わせになっている。違いは本当にそれくらいだ。

以上の事実を言わなくてはならないのだが、正直物凄く気が引ける。相手が、どういうボールを求めているかよく分からないからだ。世間話なのか、純粋に情報を求めているのか。世間話なら、コミカルに話した方が盛り上がるし、情報を求められているなら、真摯に話すべきだろう。先に述べた事柄を、どっちの方向性で進めるかは、意外と悩む。コミカルにも、シリアスにも出来てしまうからだ。

後、情報を求めている人に対して、上記の事をいうと、がっかりされるケースがある。おそらく、アメリカ特有の何かを求めているので、KFCが日本と同じなのは、つまらないのだろう。しかし、冷静に考えればフライチャンズレストランなので、味をそこまで変える訳がないのだが。

ケンタッキー州にいた、という事実が筆者とKFCを結ぶ。食べられないのに。奇妙で、不思議な事だと思う。青森県出身の人で林檎が食べられない人は、これよりもっと大変だと思う。同情する。

けれども、結びついたものはしょうがない。これも何かの縁だ。だから、もう割り切ってアメリカのKFCの事をガンガン言っていこうと思う。食べられないけど。ケンタッキー州でKFCを見た、という事実はあるから。見ただけだが。うん。声を大にして言おう。「アメリカと日本のKFCの違い、値段くらいしかない!」と。

追記
どうやら、ケンタッキー州の某所には、kfcの食べ放題があるらしい。気になる方は、コロナ後にどうぞ。

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