2024年2月23日 「無題」

昨日は友達と通話しながら『花束みたいな恋をした』をいまさら観た。色々書きたくなったのでそのうち映画日記に書く。坂元裕二はすごいねえ。

今日はほとんど何もできなかった。そもそも昼に起きたので。洗濯をして、ブックオフに行って、ゴダールの遺作『ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』を観た。予想通りわけがわからなかったけど、「デ・パルマやカルネ」みたいな名前が出てきたりしてえっ、となる。あと、制作時期から考えて「戦争」ってロシアのウクライナ戦争なんじゃ?と思う。本編にロシア語も出てきたし。でも後半でシオニズム関連の話になってきて、またえっ、となる。ゴダールが死んだのはイスラエルとパレスチナの今回の衝突の前じゃない?と。

そのあとすぐジュスティーヌ・トリエ監督『落下の解剖学』。去年のカンヌでパルム・ドールを獲った映画。評判に違わずすごい映画。撮り方、演技、脚本、全部すごい。映画日記にそのうち。

今日は映画の話しか書いてないし、結局映画日記で詳しく書くのでほぼ内容がないですね。

そういえばこの前の遠出の帰りにプルーストの『失われた時を求めて』を読み始めた。岩波文庫版。吉川一義訳。最初の最初は難しいけど、読んでいるうちに面白くなってくる。

私は家のてっぺんまであがり、屋根裏の、勉強部屋のわきにあるアイリスの香る小部屋でしゃくりあげて泣いたが、そこに野生のカシスも芳香を放っていたのは、壁石のあいだから生えてきた木が半開きの窓から花のついた枝を差し入れていたからだ。もっと特殊で卑俗な用途に使われていたこの部屋からは、昼間はルーサンヴィル=ル=パンの天守閣まで見えた。ここは長いあいだ私にとって、おそらく鍵をかけるのを許された唯一の部屋だったからだろう、読書や、夢想や、涙や、官能的快楽といった、侵されることのない孤独を必要とする関心事の避難先になったのである。

マルセル・プルースト『失われた時を求めて1 スワン家のほうへⅠ』(吉川一義訳、岩波文庫)、p.43

「アイリスの香る」というのはトイレの芳香剤のことだという註がついていて、つまりこの部屋はトイレなのだが、この迂遠さ、文章の美しさ。「官能的快楽」とか割とあけすけな文章なのに美しい印象だけが残るの、すごい。

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