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【LEAPS戦略①】LEAPSの特徴と魅力

みなさん、こんにちは!いつも、こちらのnoteをご覧いただきましてありがとうございます。

今回はLEAPS戦略について説明させていただきたいと思います。これまでホイール戦略として、キャッシュ・セキュアード・プット(第1戦略)、カバード・コール(第2戦略)の2つの戦略について説明をしてきました。

今回お伝えするLEAPS戦略はホイール戦略とは別の戦略とはなりますが、とても柔軟性があり、資金効率の高い取引が可能であるので、ぜひ覚えていただきたい知識になります。実際、私もホイール戦略より、LEAPS戦略をメインに取引をしております。それでは早速説明をしていきましょう!

1)LEAPSとは

まず、LEAPSという言葉についてですが、LEAPSとは、Long-Term Equity Anticipation Securitiesの頭文字からできた言葉で「リープス」と呼びます(たぶんw)。直訳するとLong-Term(長期)、Equity(持分)、Anticipation(予想)、Securities(証券)となり、要するに満期が長いオプションの事を意味します。

それではどの程度満期が長いかと言うと、満期が9か月以上のオプションを一般的にLEAPSと呼んでおり、満期が9か月を切ってくると普通のオプションとして取引がされていきます。(まあ、LEAPSが普通オプションになったからと言って特に運用上変化はないです。)

下図は、S&P500に連動したETFであるSPYという銘柄のオプションチェーンになります。左の赤枠部分が満期を選択する部分になるのですが、画面を拡大(クリック)して、一番したの日付を確認してください。2025年12月19日となっておりますね。つまり、現時点(2023年3月)で2年10か月後の満期のオプションの売買が可能なんですよ。

【出典】Market Chameleon/SPY Option Chain

現在、日本で取引されている日経225オプションなんかは、せいぜい取引されているのは3か月後くらいの期先までです。しかも、流動性がないので、約定しないことも多いのですが、米国株オプションの場合は、約3年後のオプションでも普通に取引可能であり、これが米国株オプションの最大の魅力の一つだと考えております。

2)グリークスから見たLEAPSの特徴

これまでの説明で「LEAPSって満期が長いだけのオプションでしょ?」と思われた方が多いと思います。まあ、そのとおりなんですがw、満期が長いとどのような特徴があるのでしょうか。これは、グリークスを確認すると、LEAPSの特徴が良く見えてきます。

「えっ!グリークス?」って思われた方は下記noteをチェック!!

デルタ(δ)からみたLEAPSの特徴

デルタ(δ)とは「株価の変化に対するプレミアムの変動率」の事でした。デルタ(δ)が0.4の場合、原資産である株価が100ドル上昇すると、プレミアムは40ドル変化するという意味でしたね。

下図は異なる満期日のデルタ(δ)を比較したグラフになります。御覧の通り、満期までの残日数が長くなると、デルタ(δ)のカーブはなだらかになります。つまり、原資産の変化に反応しにくいという性質があります。

LEAPSのオプションを建てた場合、原資産の株価が急落という場面でもプレミアムは大きく下げることがない反面、株価が急騰した場合もその恩恵が受けられないというトレードオフの関係が成り立つわけです。このことから、あまり短期で利益を獲得したいというトレードには不向きで、長期目線で取引きをする手法が合っています。

ガンマ(γ)からみたLEAPSの特徴

それでは、次はガンマ(γ)の数値からLEAPSを検討してみましょう。ガンマ(γ)とは「株価の変化に対するデルタの変動率」でしたね。要するに、原資産の株価が変動した場合、デルタがどの程度変動するか?を示す指標になります。

下図は、異なる満期日のガンマ(γ)を比較したグラクのになります。ガンマ(γ)はATMで最大になるのでしたよね。満期が長くなると下記グラフのように徐々になだらかな山状のグラフになります。

ガンマ(γ)の特徴は満期が近くなるにつれ、ATMのガンマ(γ)が大きくなるので、満期が長いLEAPSにおいてはガンマ(γ)は相対的に小さくなります。先ほど、LEAPSのデルタ(δ)は原資産の変化に反応しにくいと説明しましたが、この原因はガンマ(γ)が小さいことが要因と言えそうですね。

ベガ(V)からみたLEAPSの特徴

次はベガ(V)を確認してみましょう。ベガ(V)は「ボラティリティが変化したときのプレミアムの変化」を表す数値でした。

下図は、異なる満期日のベガ(V)を比較したグラクのになります。ガンマ(γ)同様にベガ(V)もATMで最大値となります。

但し、ガンマ(γ)と異なるのは、ガンマ(γ)は満期が近づくと数値が大きくなるのに対して、ベガ(V)は満期が近づくと数値が小さくなります。つまり、LEAPSのベガ(V)は相対的に大きな数値になりますので、ボラティリティに俊敏に反応する傾向があることになります。

セータ(Θ)からみたLEAPSの特徴

最後に、セータ(Θ)を確認してみましょう。セータ(Θ)は「1日ごとに失われるプレミアムの額」を表す数値でしたね。

下図は、異なる満期日のセータ(Θ)を比較したグラクのになります。セータ(Θ)は、常に符号がマイナスとなり、ATMで最小(絶対値が最大)になります。

セータ(Θ)は、このグラフのとおり満期が長いと値が小さくなります。つまり、LEAPSのオプションはタイムディケイが少ないという特徴があるわけですね。

こちらのグラフを見て何か気づきませんでしょうか?そうです、ガンマ(γ)のグラフと上下反対になっていますね。ガンマ(γ)とセータ(Θ)はトレードオフの関係があることは、既に講座内でお伝えしておりますが、このグラフを見れば一目瞭然ですよね!

以上のことから、LEAPSは下記のような特徴が挙げられます。

  • 原資産の株価の変動によるプレミアムの変動は少ない。

  • ボラティリティには過敏に反応する傾向が強い。

  • タイムディケイによるプレミアムの減価が少ない。

実際に、SPYのATMのグリークスを確認してみましょう。満期まで1週間、1か月、3か月、1年、2年のグリークスは下記となります。

【出典】Market Chameleonのデータから抽出

満期が2年のオプションは、1日で0.05ドルしか減価しない(現時点では)ので、これであれば現物株と同じような感じで所有することもできそうですね。

3)まとめ

今回は、LEAPSの特徴をグリークスの観点から確認してみました。もう一度、特徴について確認しておいてくださいね。

次回からは、具体的にLEAPSを使った戦略について説明していきたいと思います。

本日も最後まで御覧いただきましてありがとうございました。今後も不定期になりますが、記事をアップしていきたいと思いますので、引き続き宜しくお願いします!

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