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PMBOKガイド第7版を意味分節理論で読む(2)

プロジェクト世界の対立と両義的媒介項との出会いを求めて、
躓き(つまづき)ながら創造的に誤読していく。

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前回の投稿を見直すと、引用するも原型をとどめていない?気もするのでつづけます。

『PMBOK®ガイド』第7版の変更点

プロジェクトマネジメントの規律と機能を一群のビジネス・プロセスにほぼ整合していた。

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版
+プロジェクトマネジメント標準

規律 / 機能

私達は機能を求める。機能だけでは成り立たず、規律と機能が対となる。

効率を最大化し脅威を最小化するように、プロセスを改善できる

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版
+プロジェクトマネジメント標準

効率 / 脅威

の対立を噛み砕くと、

効率 / 非効率
||
安全 / 脅威
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良い / 悪い
||
改善 / 改悪

良いプロセスと悪いプロセスがあり、改善(変換)を通じて良いと呼ばれるプロセスへと変えていく。良いとはなにか、悪いとはなにかは棚上げする。

効果的なプロジェクトマネジメントを支援し、成果物ではなく意図した成果をより重視するために、原理・原則ベースの標準に移行している。

ロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版
+プロジェクトマネジメント標準

成果物 / 成果

の対立が再び出てくる。PMBOKガイド第7版のポイントのようだ。

原理 / 原則

理と則の源。機能と規律の源でもある。

プロジェクトマネジメントに焦点を当てて他の知識体系と著作物をレビューし、それらのテキストに内在する原理・原則概念を明らかにした。

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版
+プロジェクトマネジメント標準

原理 / 原則

再び現れる対立。そして、概念

成果 / 成果物
原理 / 原則
概念 / 非-概念

繰り返し現れる対立。

そして原理・原則の意図との整合性を保つための多くの方法を提供する。

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版
+プロジェクトマネジメント標準

意図するもの / 意図されるもの
||
意味するもの / 意味されるもの
||
原理・原則 / ?

原理・原則の奥に意味が隠れていることを示す。

つまり、予測型から適応型、およびその中間にあるすべてを対象に、効果的なプロジェクトマネジメントを示せる。

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版
+プロジェクトマネジメント標準

予想 / 適応

よく見られる対立ではあるが、経験的ではない。

予測 / 非-予測
適応 / 非-適応

非-◯となる対立があるのでは、

予測 / 計画
適応 / 実践

一旦、これもよくある計画と実践をはめ込む

予測 / 適応
||
計画 / 実践
||
朱子学(=学んで実践する)/ 陽明学(=実践で学ぶ)

昔から見られる対立だが、システムの世界ではネットワークが普及するまでは容易にアップデートができなかったため、失敗の損害が大きく、計画を重視する傾向にあった。ネットワークの普及によって実践も重んじることができるようになった。

価値実現のためにシステムを重視することは、ポートフォリオ、プログラム、プロジェクトのガバナンスを実施するという見方から、バリュー・チェーンを重視する見方への変化をもたらす。

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版
+プロジェクトマネジメント標準

ガバナンス / バリュー・チェーン
統治 / 価値連鎖

価値実現のために。

統制 / 非-統制
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価値連鎖 / 非-価値連鎖

非-◯に入るものはなにか?

統制 / 管理活動
||
価値連鎖 / 経済活動

管理活動それだけでは価値を産まない。生産性の向上、品質の担保の歴史から管理の権威は根強い。

パフォーマンス領域とは、プロジェクトの成果の効果的な提供に不可欠な関連する活動のグループである。[…]相互に作用し、関係し、依存するマネジメント能力からなる。

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版
+プロジェクトマネジメント標準

パフォーマンス領域では、多くの対立を見れることを期待する。

ようやく序文が終わりました。

PMBOKガイド第7版の奥に、

プロジェクト / 成果
プロジェクト / 価値

という、掴みどころのない何かが顔を覗かせています。

つづく

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