がらくたのメリーゴーランド

秋晴れのバカみたいな青空の下で
がたぴし回る
がらくたのメリーゴーランド
すっかりくすんだオルゴールが
悲しそうに笑う

午後2時のバカみたいな陽射しの下で
がたぴし軋む
がらくたのメリーゴーランド
すっかり疲れた顔をした
悲しそうな俺がいる

全部終わりだよ、と
汚れきった鏡を見て
みるみるひび割れてゆくのを
振り返らず歩き出す

バカみたいに広い秋晴れの海と
がたぴし回る
がらくたのメリーゴーランド
錆びついたオルゴールの
音色を思い出した

全部終わったね、と
登りきった月を見て
みるみる霞んでゆくのも
気付かないふりをして

木馬が、台座が、歯車が
音もたてずひとつひとつ
零れ落ちて死んでゆく
がらくたのメリーゴーランド
誰も覚えていない
記憶の奥底にある
快晴の海、その砂浜で
がたぴし回る
がらくたのメリーゴーランド
すっかりくすんだオルゴールが
悲しそうに笑う


配達の仕事で愛知県の大府市や刈谷市、高浜市、安城市、碧南市、西尾市などを回っている時、ふと、でーーっかい良く晴れた青空を見ていたら、そこにオンボロのメリーゴーランドが
がたぴしと回っている
のが見えました。それで、この詞を書きました
がたぴし回りながら、崩れながら壊れながら、最後の部品ひとつになるまで回り続ける、メリーゴーランド
確かに良く晴れたあの日、私は見ました。見知らぬ街の上空はるかで

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