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本当に効果があった英語勉強法を公開します。[後編]

だいぶ時間が空いてしまいましたが、英語勉強法の続きを書きます。前編では音読と単語帳を使って英語力の基礎をつくることにフォーカスしましたが、後編はアメリカの大学を受験するために必要となる単語力と速読のスキルについて書こうと思います。ちなみに、この勉強法を実践したのは5年前になります。そして、今月ついに大学を無事に卒業することができました。冒頭の写真は大学のキャンパスです。この記事を読んでいる人に海外の大学を目指している人は少ないかもしれませんが、私の勉強法や考え方が少しでも参考になれば幸いです。

*前編はこちらから*

7-10月: TOEFL&SAT対策

前編で紹介した単語帳(速単&速熟・DUO・ピーナツ銅&銀)を一通り終わらせたところで、本格的に大学受験の対策に入りました。まず、外国人留学生としてアメリカの大学を受験するために必要となるのがTOEFL iBTというテスト。これはTOEICと同じ団体(ETS)が主催するテストで、Reading、 Listening、 Writing、 Speakingの4セクションから構成されます。日本にもいくつか試験会場があります。

詳しい内容は省略しますが、このテストは正直かなり難しかったです。7月に受けた時のスコアは120点中80点くらいでした。どのセクションもかなり苦戦しましたが、特にSpeakingはボロボロでした。しかし大学受験の出願は12月から1月。アメリカ版センター試験のような存在であるSATというテストを控えていたので、TOEFLだけに時間を割く訳にはいきませんでした。

限られた時間で単語力をつけるため、TOEFL用の単語帳を使いました。こちらはTOEFL受験者の中ではよく知られている一冊です。速単、DUO、ピーナツを終わらせていたので、前半はほとんど飛ばすことができましたが、後半はかなりレベルの高い単語が出てきます。私は最後の方は飛ばしてSAT対策に移りました。より難易度の高いSATに対応できればTOEFLのスコアも自然と上がるだろうと思ったからです。

アメリカのセンター試験とよく言われるSAT。このテストの1番難しいところはReadingの量と覚える単語の多さです。日本の大学受験やTOEFLでも見たことがない単語ばかりが聞かれるので、SAT用の対策が必要でした。ここで私が使ったのはフラッシュカードです。新宿の紀伊國屋でSATの対策本と頻出単語がのったカードを買いました。

短期間で単語を覚える方法

TOEFLやSATには、日本の大学受験で必要となる単語に加えて数千という単語の知識が必要となります。私はとにかく時間が無かったので、ここでもインターネットで調べた方法に自分なりのアレンジを加えました。5年前の話なので少し記憶が曖昧ですが、前日までの単語を復習しながら1日20単語を覚えていく、というやり方だったと思います。

まず、20の新出単語を選び、カード(もしくは単語帳)に載っている定義をノートに書き取ります。この際、例文を何度も口に出して単語を文脈の中で覚えるようにしました。20単語の意味が分かったところで、カードを捲りながらひとつひとつ意味を覚えるまで何周も回していきます。覚えたカードは外し、最後の一枚が手元からなくなるまで繰り返します。単語帳だったら、覚えた単語の横に正の文字を書いていきます。

2日目は新しい単語を見る前に、前日の20単語をまた同じ要領で復習します。3日目までに60単語、4日目は80単語と数が増えて行きます。1週間すると140単語がなんとなく覚えられているはずです。次の週はまた新出単語20から始めて、140単語を覚えていきます。たまに他の週の単語にも目を通しておくと、2ヶ月で1100単語が大体わかるようになりました。

コツ:語源学習法

これは、単語をとにかく短期間で覚えるために役に立った方法です。多くの英単語は「語源」と呼ばれるパーツに分解することができます。語源学習法とはそのパーツごとの意味から単語全体の意味を推測するという方法。アメリカの高校生にもWord Rootsという言葉で広く知られています。

例えば、transplantという単語、”別の場所へ(trans-)” + ”植える(plant)”という組み合わせから、「移植」という意味になります。このようにtransfer (移動する)、transparent(透明な)、 transport(輸送する)といった単語も連想できます。

この学習法を大学受験に応用するために私が使ったのはこの本。確かブックオフでなんとなく見つけたのですが、想像以上の名著でした。調べてみると、どうやら筆者は記憶を専門とする脳科学者だそうです。私はこの本を一周することはせず、あくまでSATやTOEFLで覚えられない単語を辞書替わりに引くために使っていました。

ちなみに、ここまでくると言語学の知識を応用していることになり、弱冠言語オタクの領域に入ります。普通に外国語を勉強する分には恐らく必要のない知識ですが、知っていると覚えるスピードが格段に上がるのでおすすめしておきます。

ただ、いくら語源や例文を駆使してもなかなか覚えられない単語は必ずあります。こういう時は、力業で何とかします。日本語を使ったダジャレなどはよく使っていました。とにかく、その日の20単語を覚えるまで部屋を出ないという気持ちでやると何とかなります。面白いもので、一回単語の意味を覚えてしまうと、どうやって覚えたかは忘れてしまいました。

速読

TOEFLやSATのもう1つの難しい点は、Readingの量です。特にSATはアメリカ人の高校生に向けて作られたテストなので、時間内に全文を読むのは到底無理でした。ただ、これらのテストは内容を読み込まないと答えられないような問題はあまり無く、文章の大まかな意味と下線が引かれている部分の意味がわかればそれなりのスコアが出る形式になっています。

そこで、文章を丁寧に読み込むのではなく、ざっと目を通して意味を掴みとる練習を繰り返しました。基本的に、速読の練習はSATの過去問や問題集を使いました。外国語を学びたい人がテストを受ける機会がどれだけあるかわかりませんが、速読に関しては練習して身につけるしかないと思います。例えば、最初の文と最後の文に注目するなど細かいスキルはありますが、数をこなすうちにスピードは上がるものだと思います。

わからない単語があったら丸をつけて飛ばす、問題を答えながら効率的に読み進める、問題を解き終わったら知らなかった単語の意味を確認するといった点に意識するとSATは良いと思います。大学受験が終わってから気づいたのですが、英語の速読を練習した結果、日本語の文章を読むのが格段に速くなっていました。個人的には苦手なところですが、大学に入ってからも速読のスキルはとても大事になるので、繰り返し練習しました。

夏休み:ボストン留学

このようにアメリカの大学を目指して英語の勉強に励んでいた頃、文部科学省のトビタテ!留学JAPANというプログラムを知り、高校3年次の夏休みを使ってアメリカに留学することを思いつきました。大学受験を決める前に実際にアメリカの大学を見てみたいと思ったからです。無事に選考に通り、高校生コース1期生として7月に初のアメリカ大陸上陸を果たします。留学先に選んだのは北東部・ボストン。歴史があるアメリカ有数の学術都市です。

ボストンに行った時点で速単、DUO、ピーナツ銅は終わらせていたので、自分の英語力にはそれなりに自信がありました。しかし、いくら音読を頑張っていたとはいえ、CDを繰り返すのと人と話すのではワケが違います。語学学校のクラスメートが話す英語どころか、レストランでの注文も思うようにいかず、全く英語が使えないという衝撃を受けました。

一方で語学学校の授業はほぼ問題なく理解することができ、ホームステイ先では食生活や文化の違いも楽しみながら学ぶことができました。そして何より、この6週間で現地の大学をひたすら訪問し、アメリカの大学に行きたいという思いはより確かなものとなりました。この時に訪れたハーバード、MIT、ウィリアムズカレッジなどのアメリカを代表する名門校の雰囲気を味わったことは、とても大きなモチベーションになりました。

10-12月:テスト終了、出願

夏休みが終わり、TOEFL、SATといったテストを受け、9月にはグルーバンクロフト基金という団体がアメリカに進学する学生をサポートする奨学金に応募しました。結果的にこの奨学金を受け取ることができ、TOEFL・SATもそれなりのスコアを取れたため、冬にアメリカの大学に出願することになります。そして、高校を卒業後、志望校に合格、8月に大学生として再びアメリカに渡りました。

まとめ

このように、大学を受験するにあたっては、テスト対策が英語勉強の大半を占めていました。SATは日本人には容易な数学もあるので、英語の勉強を約1年間みっちり行った結果、アメリカの高校生とスコア上は遜色ないレベルに辿り着くことができました。

しかし、大学に入ってから、他のアジア系留学生のスコアは自分よりもかなり高いということを知ります。日本人でアメリカに留学する人はそれほど多くないので、そういったアドバンテージはあると思います。もちろん、アメリカの大学受験はテストスコア以外のエッセイ・課外活動・奨学金の有無がかなり重視されるので、それを加味して受かったのだと思いますが。

実際に大学に受かっても、最初の一年は周りが何を言っているのかよくわからず、気の利いたことをいうのはまず無理でした。そんな中でどういう風に会話力を上げたのかについては、別の機会に書きたいと思います。留学直前の準備期間にも触れたいと思いますので、ぜひお楽しみに!

また、ご質問などあればお気軽にコメントしてください。海外大学への進学を考えている方がnoteにどれほどいるかわかりませんが、お役に立てれば幸いです。

Have a nice day!

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