マガジンのカバー画像

教習所デジタル化

5
様々な企業で情報テクノロジーによる業務改革に携わった経験を元に、自動車学校業界のデジタル化を進めるために考えるべきことをまとめます。
運営しているクリエイター

記事一覧

値上げの論理

弊社は2023年1月に値上げの発表をしました。 4月入校のお客様からは新価格でのご提供とさせていただきます。 この記事では、今回の値上げについて少し詳しく説明をします。 「自動車学校の値段は高いですか?安いですか?」と消費者に問うと、殆どの方が「高い」と答えると思います。実際にお客様が自動車学校にお支払いする金額は様々に大なっている消費の中ではかなり大きい方になります。 しかし、人がレッスンを提供するビジネスとして考えると寧ろ安い方と考えてよいでしょう。 例えば、結果に

学習効果の高いオンデマンド学科教習を実現するために

教習原簿のデジタル化と合わせて、ライブ配信によるオンライン教習は7月からスタートしていましたが、弊社も、やっと録画配信によるオンライン教習を開始する準備ができました。本当はもう少し早く実現したかったのですが、検討すべきを検討し、事前に仕込むべきことをしっかり仕込んだうえでのスタートとなったことで、業界の中では少し遅めのスタートとなってしまいました。 8月の豪雨に被災して復興のためのコストもかさむ中で、取組の優先順位を下げることも一瞬考えました。しかし、こういった何が起きるか

有料
500

自動車教習所のDXについて考えてみた

私が経営する大町自動車学校は2021年6月1日に教習原簿のデジタル化について、発表しました。(詳細は下記リンク) 自動車学校は、教習原簿といわれる文書に教習の進捗を記録することが義務付けられています。この紙の教習原簿についてデジタル化が進まなかった大きな理由は3つあると思っていました。1つ目の大きな要因は公的な文書であるため行政に認められなければ実現ができないこと。2つは全国で書式がばらばらであること。そして3つ目の理由は、1つ目と2つ目があるが故に業界の経営者たちが「そん

教習原簿デジタル化で意識すべきこと

先日、自動車学校が情報テクノロジーを活用するために今注視すべきは「業務の完全ペーパーレス化」であり教習原簿のデジタル化はその第1ステップに過ぎない、という趣旨の記事をアップしました。(詳しくは下記) この記事では、その教習原簿のデジタル化を進めるにあたって、「完全ペーパレス化」に繋げるために意識すべきことを述べていきたいと思います。 本題に入る前に、少しだけ企業における情報システム導入の歴史を少しだけふり返ってみます。 90年代、オープンシステムによるダウンサイジングが

デジタル化時代の自動車学校業界の戦略的アジェンダ

先日、運転教育研究会様からお声がかかり、自動車学校業界のデジタル化をテーマとした講演をさせていただきました。 ここで話した内容は、自動車学校業界の経営者に有益なだと思いましたので、Noteでもポイントを共有させて頂こうと思います。 ここ数年、いたるところで「DX」という文字を見かけるようになったことからもわかるようにデジタル化への関心がとても高まってます。「デジタル化を急がなければ取り残される」という危機感をもつ経営者も多いことでしょう。しかし、急いては事を仕損じるという