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英国のナチュラルライフ:イースターと家事編

先日の日曜日はイースターサンデーでしたね。
イースター(Easter 復活祭)は十字架に貼り付けられ処刑されたキリストの復活したお祝いの日です。
イギリスにいるときに「キリスト教が入ってくる前は命の誕生を祝福するイベントだったものが変化した」と教えてもらいました。
英国ではイースターが春の始まりで命の始まりであり、芽吹きの時期。
昼間が長くなり、太陽の光が降り注ぎ心躍るこの季節、どんよりして暗い冬に比べて家事もスイスイこなせそうです。
今日は家事のお話をします。


命の誕生を表す卵とたくさんの命を産み育むウサギがイースターのシンボル

イースターとスプリング・クリーニング

イースターは毎年何月何日というのが決まっておらず、「今年は一体いつなの?」と戸惑ってしまいそうですが、月と共に生活をしていたら簡単です!
春分後の最初の満月の次の日曜日がイースターサンデー、すなわちこの日がイースターです。

このイースターまでにしておくことがいくつかあります。

そのひとつはレント(Lent 四旬節)と呼ばれる断食期間。
今では実際に断食する人は少なく、何か好きなもの、例えばお酒やお菓子を我慢するような友達がほとんどでした。
イースターの46日前から40日間の断食をします。
断食が始まるこの日はアッシュ・ウェンズデイ(Ash Wednesday 灰の水曜日)と呼ばれ、キリストが処刑前に断食を始めた日だそうです。
この日の前日はシュローヴチューズデイ(Shrove Tuesday)と言うパンケーキを食べる日。断食前に余った食材を粉と混ぜてお好み焼きの様にパンケーキにしたのが元ですが、今はパンケーキミックスを買って作る人も少なくありません。

基礎知識としてお伝えしておくと、イースターはこのように何日も続くのです。
主な行事として、パームサンデイ(Palm Sunday 棕櫚の主日) はイースターの前の日曜日で、キリストがエルサレムに入った日として、ホーリーウイーク(受難週)の幕開けの大切な日。棕櫚で作った十字架がシンボルです。


イギリスから持ち帰った棕櫚で作った十字架をうちでも飾っていました

最後の晩餐をしたのはマウンディーサーズデイ(Maundy Thursday 洗足木曜日)の木曜日。
グッドフライデーが処刑にあった日。受難をしのぶブラックサタデーがあり、そしていよいよ、日曜日がイースターサンデーとなります。

家事としては、パンケーキ作りに続き、イースター当日はホットクロスバンズというレーズンやオレンジピールの入った砂糖のアイシングで十字を描いたパンや、ラムのロースト、ミントソースなどをお料理します。

もうひとつのやるべきことが、このイースター期間までにやっておくスプリング・クリーニングです。
春はイースターと共にやってくるのがイギリス。
家族も集まってお食事もしますし、イースターのデコレーションを行う家もありますし、何より断食と共に断捨離をして新たな気持ちで復活する新しい命と共に新生活を送りたいという気持ちもあるのでしょう。

イギリス流自然派お掃除

先日、イギリス流ナチュラルスプリングクリーニングのワークショップのご依頼がありました。
環境にも人体にも負荷がなく自然なお掃除の方法などについてお話しし、すぐに実践できる様に、汚れ落ちや匂い消しの効果を上げるためと、お掃除が楽しくなるように精油で香りづけもしてクリーニングスプレーを作りました。

現代のイギリスでは、日本同様に科学薬品ともいえる洗剤を使う家が多いのですが、私が英国の家庭で教えてもらったおばあちゃんたちのお掃除はビネガー、ソーダ(重曹)、新聞紙を多用していました。

水垢や石鹼カスなどのアルカリ性の汚れには酸で中和してきれいにするためにビネガーを使います。
油や皮脂などの酸性の汚れにはアルカリで中和して洗浄するために重曹を使います。この重曹は研磨の役割もしてくれます。
新聞紙は吸水性があり、破けにくく、ガラスなどに使っても繊維が残ることがないということや、インクに使われる油分が汚れを分解して吸着してくれるというのが理由です。

家族そろって、お話ししながら、お手伝いしあいながら行うクリーニングは楽しいし、一人でやるよりも早く終わります!

重曹をお水に溶いてスプレーにしたり、そのまま使ったり。
お口に入っても大丈夫なものでお掃除をして、環境にも人にも優しい家事をしませんか?

主婦の仕事?女の仕事?いや、誰でもいい仕事!

日本ではお母さんの仕事の様に思いがちなお料理や掃除などの家事ですが、イギリスでは分担どころか人に頼むのもよくあることでした。
もちろん階級や収入にもよるものではありますが、、、

私がパートナーと住み始めたはじめのころ、毎日家の掃除をしていました。
すると、「MADOKAはなんでいつも掃除しているの?他にすることややりたいことが無いの?時間がもったいなくない?」といわれて驚きました。
さらには「なんで私ばっかり掃除してるんだ!」と思いながら殺気立って掃除をしていると、「掃除するのが嫌なの?そんなことでイライラするくらいなら、クリーナー(掃除の担当者)を頼めばいい」といわれて、目が点になりました。

仕事から帰ってくるそうそう、お食事の準備を「忙しいなぁ」、「面倒くさいなぁ」と思いながらしていると、「MADOKAはなんでお料理して機嫌が悪くなってるの?作りたくなかったら言ってくれれば僕がやるし、食べに行くことだってできるのに」といわれてまた驚きました。

この時家事をやらない選択は私には全くなかったのです。
なぜなら、母が毎日やっているのを見てたから。
そして、家庭の仕事は私の仕事だと思っていたから。

良い選択をするためのコミュニケーションをしていなかったこと、存在しない義務を自分で作りだして機嫌を損ねていたことにハッとしました。

これがきっかけで、家事分担や今日の気持ちを話しながらプランを立てることができるようになりました。

誰が何を分担するということも話さず、自分の義務、やるべきことだと勝手に思って行動していたことが自分だけでなく、周りにいる人にもよくない影響を与えてしまうことを知り、自分がしあわせにニコニコできる選択をしていくことが大切だと教えられたエピソードでした。

イースターの芽吹きの季節は、球根の花たちが咲き始めます。
黄色いスイセンは元気をくれる色でワクワクさせられていました。

窮屈にしているのは自分自身だった!?

思い込みって本当に怖いですね。
この時まで私は、やらなくていいこと、嫌なことを手放すことができるという選択肢があるということを考えたこともありませんでした。
いつも平穏で楽しくしあわせな自分であるために、話し合い、最適な方法を考えるということを今までしてきていなかったんだと気づかされました。

やらないといけないとか、
やるべきだとか、
責任とか、
誰が決めたかというと、自分自身。
一日の時間は限られているし、
私の時間は私が納得して使いたいし、そうするべきだと今は思います。

人にはしあわせにしてもらえないし、
しあわせは与えてもらうものでもありません。

この関係性や、自分自身の行動については、婚姻関係や彼氏彼女のパートナーシップだけでなく、お友達同士や職場ででも同じことが言えそうです。

一度きりの人生、
私であるために、
私のやりたいことを実現するために、
心穏やかに楽しい時間を過ごすために、
思い込みを手放し、
家族や私と向き合い話し合って、
お互いに納得できる最善の方法を見つけて実践できるとよいですね。

あれから20年。
昔に比べたらすごく楽になりましたが、環境や場面が違うところで、私自身もまだまだ思い癖があちらこちらにちりばめられているようで、その都度気づいては手放すように心がけています。

ナチュラルライフガーデナー Madoka
ワタシを耕しながらココロとカラダを健康に導き、私だけの美しい花を咲かせましょう!