同棲している彼女がいると知った頃からしばらくは嫉妬も独占欲も無かった。ただ好きでいさせてほしいという気持ちだけだった。ところが、中野くんに「本気で愛している」と言ってもらえるようになってからは、その気持ちを確かめるかのように少しずつ同棲する彼女に嫉妬するようになってしまった。嫉妬は醜くて嫌だ。

「彼女に嫉妬しちゃう、中野くんを独占したいって思う自分が嫌だ」と言うと「悪い事じゃないよ、それだけ好きでいてくれるなんて僕は嬉しいよ」と私の言葉に少し被さる早さで答えてくれた。

「私の家族に嫉妬したり私を独占したいとは思わない？」と聞くと、「無い。e の心は独り占めしているから」とこれもすぐに答えてきた。

離婚できない事情がある私との付き合いで、大切なのは心のつながりだと中野くんなりに考えてくれているのだろう。「独占したいけどできないでしょ？」とか「嫉妬？旦那さんに毎日嫉妬してるよ」とは言わない中野くん。そんなところが彼らしくてもっと好きになる。

愛おしい中野くんがいる。私の生活全てに中野くんの発想やセンスは良い影響を与えてくれる。会っている時はずっと笑顔でいられて、どんなご飯も美味しい。一緒に過ごしている時は、身体じゅうが嬉しさと幸せで爆発している。

そんな人がいるだけで充分でしょう。欲張りすぎは良くないよ。と言い聞かせる。