見出し画像

おい秋★枝ファン! 映画『恋は光』やってるぞ!

と言って回るのも、秋★枝ファンである私が映画の存在を知ったのが公開一週間後(6/24)だったからだ。最近UJを手に取ってないのもあり映画化することすら知らなかった。自分のアンテナの感度が落ちていることに落胆しつつ今度は観に行くべきかを悩むことになる。
実写邦画・恋愛映画は私にとってなかなか観に行く気になりづらい。別に何か大外れを引いたことがあるわけではない。
しかし今まで邦画は特撮とアニメしか能動的に見てこなかった。実写は一人で外れを引くのが怖いが、強い嫌悪感があるわけではないので誘われれば観る。
そして恋愛の映像作品は映画はおろかドラマも観ないしバラエティも苦手である。このあたりは小学校にいた他人の行動原理を恋愛に結び付けて妄想を言いふらす女子が悪趣味に見えた影響が大きいかもしれない。
そんな私が高校生になった頃に秋★枝作品と出会いハマる。ナマモノじゃなければ良かったのだろうか。(恋愛アニメ、恋愛漫画は摂取するという都合の良さとも矛盾しない)
というわけで秋★枝は私の恋愛漫画読者としての産みの親・育ての親にあたるのだ。
その親の作品『恋は光』が実写映画化する。した。もう公開している。
今まで自分が採用していた基準を適用するか悩んだが観に行くことにする。既刊全部集めるしD人誌も追っておきながら映画1本の金と時間を割かない理由はない。
以上、他の実写恋愛映画と比較して評価することができない観客であるという前置きだ。

『恋は光』(全7巻)はUJで連載されていた秋★枝の最長作品だ。
連載当時所属していたサークルに秋★枝を布教しており、土壌は整っていた。『伊藤さん』と『煩悩寺』が人気だったように思う。そして元々UJが部室に常備されていた。連載を楽しむのにこの上ない環境だ。
『恋は光』という作品は

吉元ますめ号泣! 「北代さんが不憫すぎる……。」

『恋は光』2巻帯

これに尽きる。
恋をしている女子が光を放って見える西条。幼馴染みの北代、西条が一目惚れした東雲、略奪愛に燃える宿木、この3人は西条に恋をしている。なのに西条は東雲と宿木の光が見えて、北代だけ光って見えない。西条以外、読者含めて北代の片想いを知っており、西条だけが特殊能力ゆえに、北代からの恋愛感情の存在すら疑いもしない。北代はそれを受け入れながら西条との距離を保ち続ける。
恋愛漫画は片想いが至高だと思っているがこんな残酷な描写はあるだろうか。
もうね、連載追いながら頭かきむしって
「北代おおおおおおお! ぐわああああああああ!」
と悶える毎月。
2巻の表紙見て「人の心ないんか?(誉め言葉)」と思ったし6巻でのカタルシスの解放はとてつもない威力を発揮した。
もちろん、北代だけが魅力的だったのではなく、東雲はずっとかわいいし、宿木は修羅場を持ち込んでおきながら秋★枝マジックにより好感度を上げていく。恋敵3人の駄弁りは永遠に見ていられる。
それでも一番読者(私、あるいは吉元ますめ)の心をかき乱したのは北代なのだ。
物語は終わる。北代は最後まで北代だった。秋★枝は『恋愛視角化現象』で扱った恋が見えるという題材を自然にリアルに見事に昇華したのだった。

さて、ここからは原作ファンによる映画の感想だ。
実写化というと不安は尽きない。私は被害を受けたことはないが、被害者の声みたいなのは遠くからも聞こえがちだ。
それに最近はMCUばかり追いかけるし、ドラマはもともと観ないので、国内に好きな俳優どころか興味をもってない。
題材だけ使って本編は全然違ったらどうしよう。
そういった懸念は杞憂に終わった。
キャストは全員動くのを見るのが初めてというレベルだが、西条は西条だし、東雲は東雲だし、北代は北代だし、宿木は宿木だ。大洲央なんかコスプレしてるわけでもないのに原作の絵が浮かんでくる。
原作で魅力だった、ヒロインの服装や髪型がコロコロ変わるのもしっかり反映されている。
山場では、ドラゴンボール超スーパーヒーロー観たときの
「悟飯んんんんんんん! うおおおおおおおおお!」
のテンションで
「北代おおおおおおお! ぐわああああああああ!」
と盛り上がっていた。恋愛映画観た反応として合ってんのかこれ。
というわけでターゲットは自分しかいないのでは、と錯覚するくらい満足したのだった。
北代応援上映やってください。
原作未読で観るとどうなるかは立場上想像もできないが、未読でも高評価のレビューも見かけるので何よりだ。

最後に
・原作ファン→観に行け。
・宿木派→喜べ。この映画は宿木から始まる。観に行け。
・東雲派→東雲さんが東雲さんでしかなくてすごい。観に行け。
・北代派→一緒に劇場で応援しよう。観に行け。
・原作まだ読んでない秋★枝ファン→何やってんだ。今日原作読め。そして明日観に行け。

素敵な映画をありがとうございました。何より原作者秋★枝先生ありがとうございました。


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?