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22_プレゼンテーション本番 【山の日本語学校物語】

これは、とある町に開校した「山の日本語学校(仮名)」の物語です。ITエンジニアの専門日本語教育、プロジェクト型のカリキュラム、地域との連携などなど、新たな言語教育の実践とその可能性について、当時の記録をもとに綴っていきます。最後までお付き合いください。

この連載を始めるに至った経緯については、「00_はじめに」をお読みください。

前回(19〜21回)までは、第4ステージで行われたアイデア構築のプロセスを「木山川チーム」「蜘蛛の巣チーム」「笑笑チーム」の順番で、チームごとに振り返ってきました。同じ枠組みで、同じ手順に沿って行ったプロジェクトですが、そのプロセスは、3チーム3様で、異なるプロセスを辿っていました。

今回(22回)は、それぞれのプロセスを経て完成したアイデアの発表の場、プレゼンテーション本番当日について書きたいと思います。

といいつつ、このプレゼンテーション開催にあたり、私も学生もバタバタと対応に追われていました。時間的な余裕がなかったため、このプレゼンテーションについて、後日言語化し、記録に残すという作業ができていませんでした。そこで、この記事を書くにあたり、改めて当日使用した資料、学生たちのプレゼンテーションの動画やスライドを確認しました。この確認作業を通して気づいた点を記しながら、当日の様子を振り返ってみたいと思います。

当日スケジュール

当日(2017年12月12日)は、以下のようなスケジュールで行いました。

10:00〜 受付開始
10:20〜 開会あいさつ・今期プロジェクトの概要説明
10:30〜 木山川 チーム
11:00〜 蜘蛛の巣チーム
11:30〜 笑笑チーム
12:00〜 講評
12:10〜 閉会

学生たちは、授業開始の9時から発表直前まで、プレゼン会場の設営やプレゼンの準備を行いました。当日の司会は私が担当することにしました。

この日は多くのゲストが訪れました。教室の一つをゲストのための控室とし、そこにウェルカムボードを設置しました。これは、これまでの活動の様子が視覚的にわかるように、模造紙に写真を貼って、簡単な説明を付けたものです。さらに、プレゼン後に学生たちのアイデアに対するコメントが貼れるようにしました。「調査発表会」では、わざわざ来校してくださったゲストとあまり交流ができなかったため、その反省をもとに、ゲストとの交流のきっかけを作ろうと工夫をした形です。学生たちの名前も覚えてもらえるように、簡単なメンバー紹介とプロジェクトの概要がわかる資料も用意しました。

学生がどの程度、このことを意識していたかは分かりませんが、プレゼンへの理解が少しでも深まるよう環境を整えました。

来校者

当日は、広報期間が短かったにもかかわらず、多くの方が来校してくださいました。1stプロジェクトでは、学生たちのプレゼンテーションを、日本語教育的観点、地域的観点、IT教育的観点の3方向から評価してもらうことを考えていました。そこで、日本語教育関係者、地域住民、ITエンジニアを中心に広報をしました。

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