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「日本語教育機関認定法」施行に伴う情報まとめ

4月1日に「日本語教育機関認定法」が施行され、もろもろが本格的に動き始めました。今回は、関連する主な動きを自分の備忘録も兼ねて、簡単にまとめておきたいと思います。


日本語教育の位置付け

これまで日本語教育関連の業務を担っていたのは、「文化庁国語課」でしたが、「文部科学省総合教育政策局」の下に、「日本語教育課」が新設されました。

これまで、文化庁国語課の下に位置付けられていたことを考えると、ものすごい格上げです。

これに伴い、日本語教育関連の資料が「文部科学省」に移管されました。今後、日本語教育関連の資料は、下記のサイトからチェックする必要があります。

文部科学省|日本語教育

さらに、中央教育審議会の生涯学習分科会の下に、「日本語教育部会」が新設されました。2024年3月18日に、第1回目の部会が開催されています。

部会の役割を確認すると、以下のように書かれています。

我が国における外国人に対する日本語教育の推進に関する専門的な調査審議を行うこと。
日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(令和五年法律第四十一号)第15条の規定に基づき中央教育審議会の権限に属させられた事項を処理すること。

生涯学習分科会における部会の設置について

「日本語教育の推進に関する専門的な調査審議」で何を行うのかはっきりしませんが、主に「認定日本語教育機関」「登録実践研修機関・登録日本語教員養成機関」の審査に関わっていくことになりそうです。

ただ、設置期間が、2025年3月9日までという1年限定である点が気になります。

認定日本語教育機関

「認定日本語教育機関」については、現在、事前相談が行われており、5月からは、いよいよ申請が始まります。今回、何校くらい申請するのか気になるところです。

これまで、「教育課程」の編成にどんなことが必要か、個人的な見解を書いてきましたが、教育内容を根本的に考え直さなければならない機関も多いのではないかと思います。そう簡単に準備できるものではないと思いますので、「日本語教育部会」の動きも踏まえつつ、慎重に検討していきたいところです。

登録日本語教員

「登録日本語教員」も動き出しています。現職の日本語教師は、この辺の動きも気になるのではないかと思います。

文科省から出されているスケジュールでは、以下のようになっています。

  • 2024年11月17日:第1回日本語教員試験

  • 2024年冬頃:第1回日本語教員試験合格発表・登録申請の受付開始

ということで、最短で今年の冬(ということは年内)から、国家資格「登録日本語教員」の登録が始まることになります。

「登録日本語教員」については、以下の資料をよーく読む必要があります。

「登録日本語教員の登録申請の手引き」(2024.4.1)

日本語教育機関認定法ポータル

今後、「認定日本語教育機関」や「登録実践研修機関・登録日本語教員養成機関」そして、「登録日本語教員」の情報は、以下の「日本語教育機関認定法ポータル」というWebサイトに、一元化されるようです。

申請や届出なども、こちらのサイトから行うことになるようで、情報が一元化されることのメリットは大きいと思いました。日本語教師の場合、非常勤という形態で働くケースが多いので、こちらに登録しておけば、簡単に身分を証明することができます。認定日本語教育機関で働くか否かに関わらず、国家資格化によって仕事の幅も広がるのではないかと思います。

今後の自身のキャリアに関わる情報なので、自らしっかり情報をとっていきたいところです。

と人ごとにように言ってますが、私のようにすでにフリーランスになってしまった人は、現職教師として認められるかが微妙なところです。日本語教育機関で働いていた時期で線引きがされるからです。もし、現職として認められなかった場合、日本語教員試験に合格した上で、実践研修を受けなければなりません。

現職として認められたとしても、古〜い「日本語教育能力検定試験」に合格して、日本語教師になった人は、指定された講習を受けなければなりません。フリーランスから「登録日本語教員」になるのは、かなりハードルが高そうです。

実践研修を行う「登録実践研修機関」が認定されるのは、今年の秋ぐらいになりそうなので、実践研修を受けるとしたらそれ以降になります。ていうか、今から教育実習を受けるのか…

いっそのこと、日本語教育機関で1年くらい働いた方がいいような気もしてきました。フリーランスを日本語教育機関に戻すためのトラップなのか、と余計なことも考えてしまいます。

ということで、私個人の話は一旦置いときますが、4月1日からの動きを簡単にまとめてみました。次々と新しい情報が出てくるので、情報に乗り遅れないよう、こまめにチェックしていきたいと思います。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!

共感していただけてうれしいです。未来の言語教育のために、何ができるかを考え、行動していきたいと思います。ありがとうございます!