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日銀は形骸化政策の撤去、3月FOMCも実質無風 ‐乾燥の日米金融政策について‐

既定路線であった1.マイナス金利は解除され、2.YCCは撤廃、そして3.ETF・REITの新規購入を停止するんだとか。

で、結論だけ言ってしまえばこれによって、新たに何らかの影響が出るかといえば出ないというね。

1.マイナス金利について

くどいようだが黒田総裁のときに階層型のマイナス金利を導入したのは円安に誘導するため(それも米国との兼ね合いで失敗)、表向きには当座預金のブタ積みを減らすべく、懲罰的に新規の過剰流動性にマイナス金利を適用した、というものだった。(拙著カラクリ2版、p203)

がしかし、企業の借り入れが劇的に増加することは無く終わるべくして終わったという、政策金利残高へのマイナス金利政策。

2.YCC撤廃について

YCC撤廃といっても短期のところでマイナス金利を止めたものだから結果としてYCC撤廃、という形になっただけ。その証拠に長期金利が上昇したときには今までどおり、予定額にかかわらず無制限の指値も入れるし共通担保資金供給オペも実施。

3.ETF・REITの新規購入を停止

これについては枠組み無視で、数年前からほぼ購入されることは無かった。語弊があるかもしれないが、これを推進してきた安倍元首相の逝去によってどうなるのか推移はチェックしていたが、亡くなる前はひと月に1、2度のペース、7月の逝去後は12月2日に一度購入したのみ。当時、いろいろ思うところはあった。(2022年)

翌年23年も3月2度、最後が10月4日で年間3度のみだった。で、今年24年はゼロ。つまり実質的には数年前より終わっていた政策で、それを追認しただけに過ぎない。

総じて、実質的な現状追認なんですよね。マーケット的にみた場合「で、なんなの?」的な。なんもわからないマスコミは「17年ぶり利上げ」なんて煽るけど煽る意味もわからない。解説にもなっていない。

現状のドル円150円という円安、長国債の0.75%という無反応?は皮肉にもならない。形骸化していた政策を「形骸化していたから止めます」といったに過ぎない。

さらには、何度かお伝えしたが追加的な金利を引き上げることは難しいし、緩和的な環境は変わらないわけです。

3月FOMCについて

FOMCについても念のためお伝えするが、金利政策についてはデータ次第、変化があるとすればQTについてだが、もう少し減らすんじゃないですか?QTについて深く議論し、具体的なアプローチが公表されることはない。

一過性の値動きはあれども、特段材料視されることは無いと思われ。むしろ高金利継続のニュアンスの方が強いと思う。AI関連含むハイテクの値動きはFOMCのようなマクロアナウンスに惑わされず、継続の?話題性とファンダ重視に委ねられる。

話題と実際の乖離がこれだけ大きいのは珍しい



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