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【戦評】 大坂遠征で築いた反転攻勢の橋頭堡~5月13日○楽天9-1オリックス

3連戦のチーム打率.315。4連勝で息を吹き返した楽天

終わってみれば9-1の大勝だ!
打線は4/15西武戦(○E12-6)に続く今シーズン最多タイ15安打で、チームは4連勝を飾った。

ゲームは6回終了時に3-1のロースコアゲーム。
しかし終盤7回以降、楽天が一気に突き放した。

特筆すべきは7回の2得点、9回の3得点。
これらは、いずれも2死走者なしからの得点になっている。

朗報が続々舞い込んできた!

終盤には内田のバットから待望の今季1号ソロが誕生、2打席目もタイムリー。
ヒーローインタビュー行きの2安打で、和製大砲候補に笑顔が戻った。

打撃好調の今江は、左中右と広角に打ち分けての3安打。
いずれのヒットも得点に絡む当たりで、今季3度目の猛打賞。
とくに2-1と1点差の5回1死3塁では「特殊スキル」を発揮してのタイムリーに。
打率は.308と3割に到達している。

5月に入り調子を上げてきたウィーラーは、開幕戦以来の4安打をマーク。
主にセンターに打ち返すコンパクトな打撃で、左腕から2本、右腕からも2本と投手の左右苦なくヒットを放ち、5月月間打率を.400に乗せた。

このカード2戦合計3発を放ったペゲーロのバットも火を噴く。
7回2死3,1塁、あともう少しでホームランというフェンス直撃の中越え二塁打は走者2人をホームに呼び込む勝負を決める槍働きになった。

珠玉のミートセンスを見失い、彷徨える銀次も5月初めての複数安打。
ヒット2本はいずれもタイムリーになり、今季タイムリー2本を放った最初のゲームになった。

このカード、楽天打線は108打数34安打の打率.315。
3月4月の懸案がまるで嘘のように、打線はよくつながった。

少し前までは一発攻勢頼みだったが、この3連戦ではホームランもあればタイムリーも飛び出す。
欲しいところでの犠飛や、野選やエラーなど相手の適時ミスを誘う光景もあり、得点パターンが増えてきた。
この点は、週明け火曜から始まる「前半戦の山場」へ向けて、明るい材料になっている。

3月4月は不安定だったブルペン陣も、この4連勝中は、のべ10人が11イニングを投げて無失点だ。

抑え代役のハーマンはストレートに加えカーブも自在に操り、すこぶる安定。
松井も復活を遂げ、2517回転のホップ型ストレートを投げ込んだ5/7西武戦(●E5-6)以降は、打者17人から8三振、許したヒットは1本のみと本来の姿を取り戻した。
高梨も直近の打者11人との対戦で1安打4三振と不振を脱し、いよいよ投打かみ合う季節の到来だ。

チーム成績は6位、35試合11勝23敗1分の勝率.324に。
ゲーム差は1位・西武と12.5、2位・ソフトバンク、3位・日本ハムと8.0、4位・ロッテと4.0、5位・楽天と3.5とした。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・岡島(左)、3番・今江(一)、4番・ウィーラー(指)、5番・ペゲーロ(右)、6番・銀次(二)、7番・内田(三)、8番・嶋(捕)、9番・オコエ(中)、先発・藤平(右投)

オリックス=1番・宗(中)、2番・山足(二)、3番・安達(遊)、4番・吉田正(左)、5番・小谷野(三)、6番・マレーロ(指)、7番・T-岡田(一)、8番・武田(右)、9番・若月(捕)、先発・田嶋(左投)

先発・藤平、綱渡りの投球

それにしても、こういう試合展開を制することができたのは、大きい。
今季最大8点差だが、序盤はどちらに戦況が転ぶか、はなはだ不透明だったのだ。

楽天は初回に幸先良く2点を先制。

1番・茂木が四球で歩き、3番・今江の好機拡大の左安で1死3,1塁。
2死後、5番・ペゲーロの三ゴをサード小谷野がファンブルしタイムリーエラーに。
6番・銀次も続き、フルカウント勝負を制する中前適時打でイーグルスが2点を先取した。(E2-0Bs)

しかし、楽天先発・藤平がピリッとしない。

自力Vが消えた前回5/6西武戦(●E0-11L)で自己ワースト9失点を喫した「次世代エース候補」も、前日エース同様、本戦が今季再出発のマウンドになるはずだった。

ところが、3イニング連続で満塁と、防戦一方のピッチングを余儀なくされる。

1回は1死2塁~1死2,1塁~1死満塁。
2回は無死2塁~1死3,1塁~2死満塁。
3回も無死1塁~無死2,1塁~1死満塁。

いずれの回も四死球絡んで塁上を埋め尽くす綱渡りの連続だった。

初回はストレートの制球が定まらず苦労した。

2番・山足に速球を二塁打にされた後、2者連続フォアボール。
今江、茂木が入れ替わりマウンドに足を運び、高卒2年目を代わる代わる叱咤激励しながら盛り立て、藤平は変化球を駆使し、フラフラの態で満塁を脱する立ち上がりになった。

2回はいきなりの無死2塁。
先頭・T-岡田に内角スライダーを右翼線に弾き返されての二塁打を浴びた。
決して悪い球ではなかったが、T-岡田は前日則本の内角スライダーをミスショットして右飛に倒れていた。
このときの教訓をいかされてしまったと言えそうだ。

結局、藤平は3回4安打5四死球。
4回アタマにはその姿はマウンドになく、自己最短タイ3回降板になった。

しかし、毎回敵軍の猛攻勢に遭いながら、相手を勢いづかせる連打を1度も許さずに3回1失点。
試合を壊さず、リードを保ち、指揮官に継投のタクトを揮う采配の余地を残したことは、ギリギリ最低限の評価はできそうだ。

主導権を握った2番手・青山の好投

「投」で素晴らしかったのは2番手・青山の好投だ。

4回アタマから登板し、、、

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