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【試合評】終盤「疑問符」の残った梨田采配~6月2日●楽天3-6中日

敵地初戦で連勝止まる

交流戦の開幕カードで巨人を3タテ。
連勝を今シーズン初の「5」に伸ばし、当日移動でナゴヤドームに乗り込んだ楽天。
相手はセリーグ5位、得点力不足に悩む中日。
この勢いのまま敵地蹂躙すれば、球団記録を更新する8連勝も!と思われたが、連勝ストップのカードの初戦になった。

楽天先発は今季3度目の先発、5月27日巨人2軍戦で4回60球を投げての中5日登板になった古川。
一方、ドラゴンズは高卒2年目左腕の小笠原。
共に5回まで投げた若き両先発の投げ合いは投手戦になった。

危機でみせた古川の好プレー、最少失点の粘投

4回まで両軍ゼロ行進が続くなか、先手を取ったのは中日。
5回、先頭は5番・ゲレーロ。
直近4試合で5本のホームランを含む16打数7安打の打率.438と打撃好調の「どえりゃあカリビアン」(そういうプラカードが出ていた)に、どえりゃあ中越え三塁打を浴びた。

1-2と追い込んでからの真っすぐ。
力んでしまい、高めの手伸びゾーンに上ずってしまう。
強打の一撃は、あわや柵越えという中堅フェンス上段直撃弾。
クッションボールが大きく跳ね返ったのを見て、ゲレーロが一気に3塁を狙ったが、これは完全な暴走。
楽天が中継経由でしっかり3塁送球できていれば完全タッチアウトだった。
しかし、遊撃・茂木の3塁送球がホーム側に大きく逸れて、ウィーラー取れず、ファウルゾーンへ。

危機の中でも、古川の光るプレーがあった。
古川のカバーリングである。
この場面、ウィーラーの後方に陣取り、ウィーラーが取り切れずに逸らした茂木の悪送球をファウルゾーンで待ち構えていて処理したのだ。
もしここでカバーリングできず、ファウルゾーンに転々としたら、2次災害。
打者走者のゲレーロに一気に本塁生還を許す「最悪シーン」もありえた。

その後、6番・藤井は凡退させたが、1死後に7番・平田にスライダーの失投を左越えフェンス直撃ツーベースを打ち返され、これが先制打。(楽0-1中)

さらに暴投、四球、内野安打で1死2塁~同3塁、2死2塁~2,1塁~満塁のピンチの連続だったが、2失点目は許さず、最少失点で切り抜けて5回3安打1失点にまとめたところも、グッドだった。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(右)、3番・ウィーラー(三)、4番・アマダー(一)、5番・銀次(二)、6番・島内(中)、7番・岡島(左)、8番・足立(捕)、9番・古川(右投)

中日=1番・京田(遊)、2番・荒木(二)、3番・大島(中)、4番・ビシエド(一)、5番・ゲレーロ(三)、6番・藤井(左)、7番・平田(右)、8番・木下拓(捕)、9番・小笠原(左投)

誤算のリリーフ陣

問題は6回以降である。
継投作戦に入った6回以降、救援陣が誤算だった。

今の楽天なら1点ビハインドは、全く無意味な点差だ。
確かに負けている展開だが、それは逆転勝利の序章。
5月16日日本ハム戦(○E6-4F)以降の10勝3敗、そのうち5勝は先制点を取られながらも試合をひっくり返したゲームだった。

後ろが粘れば必ず勝機が巡ってくる。
しかし、その後ろが崩れてしまった。

まずは7回だった。
回またぎ2イニング目の戸村の制球が乱れた。

先頭打者を内野安打で出した後、送りバントで1死2塁。
1番・京田に死球をぶつけてしまい2,1塁。
続く2番・荒木の打席でワイルドピッチ。
走者に進塁を許して3,2塁になり、内野前進守備に変わった直後だった。
荒木にくらいつかれてしまった。
打球は前進守備を取っていたセカンド銀次の左へ。
銀次も横っ飛びを試みたが及ばず。
しぶとく中前へ抜けていく2000本安打に王手をかけた一打が、2点タイムリーになった。(楽0-3中)

翌8回に登板した三番手・菅原も3点を失った。
先頭の5番・ゲレーロにはボール先行2-1からシュート回転して甘く入った速球を打ち砕かれ、5試合連続となるホームラン。
1死後、下位打線に甘い球を弾き返され、2死2,1塁で1番・京田の打席、連続のタイムリーワイルドピッチで2失点している。
菅原はその後も暴投1個を計上、「1イニング3暴投」という気まずいマウンドになった。(楽0-6中)

これ、戸村、菅原のノーコンぶりばかりに目がいきがちだが、、、

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