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知らない朝がやってくる

珈琲とココアの
香りがする部屋

君の色素の薄い
猫っ毛を陽光が
すかして煌めく

安心しきった朝

昨日の僕を君は
知らないままで

知らないにおい
髪をかきあげる
仕草も君と違う

うかつで虚ろな
そんな夜に僕は
君以外の女性と
一晩を過ごした

君を本当に好き
君だけが僕の宝

だけど知らない
女性の夜の仕草
一時僕は溺れた

なんだっていい
言い訳は不要だ

君と過ごす毎日
そう平和で退屈
そんな事にただ
新しい色いれる
そんな温い思い
でしかなかった

君が使うカップ
昔僕のあげた物

僕の使うカップ
知らない新しい
カップと気づく

珈琲を見つめて
動かないでいる
僕に君が言った

おとこのひとの
うわきはいいの
そういわれてた
おかあさんにも

かえってくるし
あそびなんだし

マーマレードを
塗ったトースト
かじっている君
遠くを見ている

でもわたしはね
むりみたいだね

ココアを飲んだ
君は涙をこぼす

気づかれた事の
ショックと羞恥
そして僕はただ
一度のあやまち
君を無くすのか

これがはじめて
じゃないことも
しっているのよ

僕の心を読んで
君は悲しく笑う

遊びなんだただ
ただ、ただ僕は

なにを求めてた
なにに飢えてた

冷えていく珈琲
君は泣きながら
朝食を食べてる

許して欲しいと
言えないほどに
君はもう冷えた
心の行方を捜す
ことはないんだ

立ち上がった君
震える肩を僕は
抱きしめたいと
思っているのに
動けないままで
君が皿を洗う姿
見つめてるだけ

すきよすきだわ
すきだからでも
だからだめなの
もうただすきと
いえないわたし
それがいやなの

君は振り向いた
赤い目にはでも
もう引き留める
ことはできない
強い意志がある

さよならしよう

君の言葉に僕は
今更後悔の嵐に
襲われてしまう

君に伸ばした手
払いのけられて
君の決心の本気
そしてここには
残らない明日を
喉に突き立てる

ふたりのあした
それいがいなら
わかりあえるの

朝日が君を包む
色素の薄い癖毛
茶色の光彩の瞳
血の気のない唇

わたしをすてて
じゆうにしてね
あなたもそして
じゆうになって

言葉に殴られて
僕は出て行く君
追うこともなく

2人の明日それ
以外なら僕達は
解り合えるのに

テーブルに珈琲
冷え切った液体

それを日差しが
照らしているよ

見知らぬ景色で


【自己お題】

TMN  TENDER IS THE NIGHTの歌詞を使って

二人の明日それ以外ならわかりあえるのに


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