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自分に負けたときがスタート。

完全に負けた。自分に負けた。
恥ずかしくなってしまって、人目が気になってしまって、結局FacebookのLIVE放送で誰も来ないですー!というネタにするという逃げに走った。情けないったらありゃしない。店を閉まって、しょうがないわと裏道から商店街をあとにした。

(↓小樽に入ったときから)

小樽に到着してそのまま人通りが多い商店街へ自転車を走らせた。駅前も商店街も閑散としていて、ちょっとコーヒーを出すにも寂しいなと地元の人に教えてもらったのだ。小樽運河を抜けたところは、お土産物屋が立ち並び人があふれている!

ここだな!と商店街が切れたところ、オルゴール博物館の手前の広場にCAFEを広げた。さあ今日はどんな出会いがあるかな。


(1時間経過)

・・・・・誰も来ない。
チラッと見られはするのだけれど、近くにさえも来てくれない。外国人観光客が多いのは分かっているけれども、それにしてもだ。場所はいい。雰囲気もまずまず。それなのに・・・。ということで、なんだか勝手に恥ずかしい思いをしながら商店街は抜けずにそのまま裏手の国道にまわってその場をあとにした。

(小樽運河の前を通りかかった)

日はすっかり傾いて、運河沿いの街灯が灯りはじめた。なんだかすんごくゆったりとした時間の流れを感じて、もうひとラウンドやってみることにした。泊まる場所さえ決まってないけど、遅くなってからどこかの公園にテントを張らせてもらえばいい。

店を開けた。途端に運河を行き交う観光客がやってきた。僕がミルを挽いたり、ドリップするのをじーっと見たり、撮影したりしてはる。すぐに注文が入った。それを見ていた人から次の注文が入った。そのまま20時を過ぎるまでずっと誰かと話して、コーヒーを淹れて、写真を撮っていた。

新婚旅行。3度目の北海道で娘たちは初めて。タイからのご夫婦。みんなとっても穏やかな顔で、コーヒーも写真も喜んでくださって、すっかり手元が見えなくなって、片付けをはじめるころには、なんだかとってもあたたかな気持ちになっていた。

最初に失敗したときには想像もしなかった1日の終わり。
僕は「ひと通り」は見ていたけれど、「ひと」は見ていなかったのだと思った。人はどんなところで、どんな気持ちになるのか。

商店街ではみんなお土産を探してる。いろんな写真やモノを見ながら、どれをどう買おう、これは誰のため、これは自分のため、高い、安い。そんな気持ちなのかもしれない。

小樽運河ではみんな歩くスピードもゆっくり。まわりをゆったり眺めながら写真を撮ったり、ベンチに座ってホット一息ついてみたり。同じ「ひと」でもロケーションやそのときの目的によって気持ちも変化するのだ。

今回の旅は「とどまる」旅。ひとつの場所にとどまることで、その町の空気や人が少しだけ見えてくる。今日もまた素敵な発見をさせてもらった。


(おまけ)
そんな気持ちでいたら、キューバを一緒に走ったシンヤからメッセージ。なんと彼の知り合いがこの町でゲストハウスをやっていて、連絡をいれて僕のことを伝えると、どうぞ家に泊まっていってと返信があったそうだ。なんて素敵なことだろう、僕はゲストハウスの電話番号を調べ電話をかけた。


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