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1.マクロコスモスとミクロコスモス

大宇宙(マクロコスモス)と小宇宙(ミクロコスモス)という概念は、いにしえの頃から存在しています。大宇宙は文字通り、果てしなく続く、この大きな宇宙のことです。小宇宙とは、人間のことを差していますが、人間以外の生きものもまた、小宇宙です。人体は、とても複雑に精妙にできており、科学でも、まだ解らないことが存在しています。

植物と人間、宇宙の関係性を考えてみると、興味深いことが、いろいろと見えてきます。これは、薬草使いとして知っておきたい5つのこと、の中で、最も土台であると同時に、いちばん最後まで「わかった」、ということがないものです。

古来から、それぞれの文明ごとの宇宙観が存在します。宇宙の中心を象徴するものを、宗教では「神」と呼びます。その「神」も、それぞれの文明ごとに、違う名前をもっています。しかし、それらはひとつのことを、違った角度から見ているものであることがあります。また、わたしたち人間の認識力には限界があり、現時点で宇宙の果てを知ることは出来ず、神を完全に知ることもできません。ただ、そこに近づいていく本性を、人間は持っているということだけは言えるでしょう。

果てしない大宇宙ですが、人間のシステムは、神をまねた完璧なシステムであり、全宇宙を反映しているという考え方も存在します。人間のシステムを知ることが、宇宙や神を知ることに役立つとも言えます。そして究極的には、神または宇宙=私、ということを悟ることが、全体性を取り戻すこと、ホリスティックな状態に戻ること、究極的な癒しが訪れることになるわけです。

伝統医学や自然療法の中には、地水火風(諸元素)などの外の世界が人間の内的システムにも表れている、という見方がありますが、これは、自分と世界をつなげて考えることができる良い視点です。元素の概念が場所により異なることもありますが、言葉尻ではなく、その言葉が象徴するエネルギーの動きや本質を知ることに努め、その感覚を感知したり、質を見分けたりするセンサーを鍛えるのことが必要となります。

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