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関西建築散歩。〜旧奈良監獄

旧奈良監獄に行ってきました。不謹慎かもしれないけど素晴らしくカッコいい、赤レンガの建物。威厳もあります。
・設計:山下啓次郎。ロマネスク様式。
・建設:明治41年=1908年…ってこれ、

100年以上前の建物か!

元々は明治政府が作った監獄でしたが、後に少年刑務所となり、2017年3月まで実際に使われていました。

この建物、今後改装されて2021年には「監獄ホテル」としてオープンする予定。この三連休(11/23〜25)は、ホテルへの改修を前に、明治150年記念事業として、法務省が主催して

「最後の完全公開」をやっていたのでした。

では早速、入ってみます。まずは門をくぐりましよう。

良い門ですねぇ。

しばらく、見惚れます。

旧奈良監獄は、こんな↓配置になっています。図の一番下にこの門があります。

門をくぐると、真っ正面に、庁舎が見えてきます。ドーン💥。

もう少し近くに寄ってみましょう。

うーむ、カッコいい建物だ。

しかし、なんで監獄をこんなにカッコ良くする必要があんの?

って思いますよね。それは、ザックリ言えば、名だたる諸外国に、近代国家としての日本を認めさせるためだったようです。なぜなら監獄というものは、外国から、"その国の人権意識を反映する象徴的な施設"と見做されたから。

監獄がしっかりしていることは、近代国家として認められるために必要だった

のですね。

それで、当時の建築技術の粋を結集して建てられたわけですな。
こちらの動画で、勉強しました。

それではいよいよ、中に入ります。

真ん中に銭湯の番台みたいなのがあって、ここを中心に、5つの細長い獄舎が放射状に広がっているのが特徴です(さっきの配置図参照ください)↓

(写真はホームページの動画から)この扇のカナメの部分にあるのがさっきの番台。
ここから獄舎の方を見てみると…↓

こういう長い廊下が5本見えるわけです。

つまり、中心の番台(みたいなの)に立てば、全ての獄舎を奥の奥まで見通せるってわけです。

これを、ハビランド・システムって言うんだそうな(考えたのがハビランドさん。飛行機会社のデ・ハビランドとは関係なさそうです)。

で、監獄の個室の扉に覗き窓みたいなのがありまして↓、

ここから覗いてみますと…
ドーン💥

うわっ、そのままやん。

狭いけど、ちゃんと窓もありました。

お次は中庭。

丁寧にみると↓、鉄条網などが残っていて、ちょっと怖い。

ということで、皆さんいかがだったでしょうか。

今回は、

用途が用途だけに、そこに足を踏み入れるだけで色々と感じるものがあり、

純粋に建物だけを見る、という訳にはいきませんでしたが、大変、勉強になりました。

監獄の内部としての公開は今日が最後でしたが、今後この建物はホテルなどに生まれ変わる予定ですから、皆さんも機会があれば是非!

それでは、またー!

サポートいただけるなら、グンとやる気出します。