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第1話 マスク文庫の物語|「誰かが・・・」NNさん

 マスク文庫、第9作目です。

 今回は、より多くの方に参加していただきながら、進めてみようかと思っていますので、よろしければお付き合いいただけると嬉しいです。

 また、新たな試みとして、文章が生まれたきっかけと、装丁画の制作ストーリーを記事にして、マスク文庫が出来ていく過程を皆様にお伝えしてみたいと思います。

目次
●マスク文庫とは
●この詩が生まれた背景
●一艘の小舟だった、私の話
●どんな絵にしようか

マスク文庫とは

 マスク文庫とは、文庫本のようなデザインの紙製マスクケースです。今まで、8作品作っています。



この詩が生まれた背景

 詩を提供してくださった、noterのNNさんのページはこちら。


 この新たな試みを実行するにあたり、NNさんには詩が生まれた背景を記事にしていただきました。


 何も知らずにこちらの詩を読んだ時、孤独感に押し潰されそうだった時期を思い出し、そして、世の中わりとあったかいじゃん、と思えるようになった今の自分を重ねました。

 そして、この記事を読んで、改めてその意味を知った時、その重なりはより深くなり、生きることの難しさと愛おしさで、胸がぎゅっとなりました。

 この作品を多くの人に届けたい。
 今、この瞬間、一艘の小舟となって孤独の水面を漂っているあなたや、過去そうだったあなたへ。

一艘の小舟だった、私の話


 制作の前に、一艘の小舟だった私の話を少し。

 私は物心ついた頃からこの感覚をずっと持っていて、それが当たり前だと思っていました。
 家族というのは、その責任を果たさないと属せないコミュニティ、という父の考えの元に育ったからかもしれません。何か見返りを渡さないと人に頼ることは許されない、というクセがついていたんですね。結婚しても、子どもができても、その考えはしばらく続きます。

 特に第一子を産んだ時には、さらに世の中と隔絶された気持ちになってしまって。完全ワンオペ育児で、夫もあまり帰ってこない、明日の生活費もギリギリ......その孤独感や閉塞感からくる負の感情は、もう狂気と呼べるほどで。

 でも、子育ての中でそれが少しずつ変化してきます。
 まず、子どもを生かさなきゃいけない。そのためには、自分がちゃんと生きてなきゃいけない。この大前提って、すごいことで。自分のこともちゃんと大事にしないと、子どものことも大事にできない。

 他者を想う時、逞しさって、生まれるのかもしれないですね。

 また、育児ってひとりじゃ絶対無理なので、生かすために、生きるために、少しずつ人に頼ることを学び、視界が開けてきたんですね。そこで、自分のことをわかってくれる人はいる、ということを知るのです。実は子どももね。

 一艘の小舟にいるあなたに近づく人は少ないかもしれません。でも、少し勇気を出して、顔を上げて、景色を見ることができたら......誰かの優しい視線に気付けるかもしれませんね。大丈夫。

どんな絵にしようか


 いやいや、お待たせしました! いよいよ装丁画制作の話です。ここからは、イラストレーターとしてお話したいと思います。

 まず......めっちゃ難しいな!どうしよう?! と、思いました。汗)
 希望のある詩だから、暗い絵にはしたくない。でも、この詩から最初に浮かんだ情景は、暗い水面にポツンと小さな舟が浮かぶ様子でした。遠くにぼんやり月が見えてたりして。
 「見ている」の表現は、人間も考えたんですけど、絵で表現すると、「家政婦は見た」みたいにサスペンス感出ちゃうと思って、月に脳内変換しました。
 満ち欠けしながらも、いつも夜空にいてくれる感じとか、重なる部分あるしなー、と。

簡単なラフにするとこんな感じ。
(私、鉛筆ラフは描かないんです)

 いや、でも、私、この感じの絵描き過ぎだろ! 似た絵が多過ぎるだろ! しかも、水面と舟って、松本エムザさんの「凪男」にも似てしまう......うーん、どうするかなぁ......どうするかなぁ......

ちなみに「凪男」はこちら。


 と、いうわけで、ビールでも飲んで少し考えようかと思います。

 よろしければ、コメント欄にて、皆様のイメージもお聞かせくださいませ。

 今、この瞬間、一艘の小舟となって孤独の水面を漂っているあなた、過去そうだったあなたの心のイメージも知ることができたらなら、作品がよりよいものになるのでは、と思うので......

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