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A waster's notebook

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記事一覧

2/7

・二日酔いでぐったり。1時ごろにようやく家を出る。

・Richard Jefferiesという19世紀の作家がいる。岡倉由三郎が注釈をつけた、研究社の"English Essays"のなかに、"The July Grass"という小品が1編だけ収録されていて、そのあまりの凄さにぶったまげた。調べたが、忘れ去られた作家のようで、邦訳はほぼない。愛しの"The July Grass"は国立国会図書館

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2/6

・別役実『鳥づくし』を読む。本当につまらなすぎて衝撃を受けた。最初の数ページで退屈さが閾値を超えてしまった。一生懸命ひねくれてシニカルな笑いを作ってやろうという意図が透けて見える。全編通して滑りも滑りの大ド滑り。ユリイカの特集を見たら、冒頭の娘のインタビューで、自著はくれないけどエドワードゴーリーを読ませてくれたとかいう話で心底うんざりしてやめた。別役実を好きな人間は全員嫌いだ。「おれたちは本物の

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2/4・2/5・2/6

・本日初バードはシジュウカラ。姿は見えず。

・おれ「マラルメわかんね〜」→モーム「マラルメはガワが目立つだけで思想が陳腐」→おれ「そうなんだ」→おれ「マラルメは好かないね。みんな華麗な詩的文句に幻惑されているけど、よく読むと皮相的で深みがない、かな笑」

・本当は昨日も一昨日も大量に書いていたのだが、後々見直して、嫌になって消した。自分が下痢便のごとくひり出した駄文の山に、親近感を覚えたことはな

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2/3

・散歩中、民家から「まだ冷凍してあるよ」「えーッ、そうなの!」という会話が聞こえてきた。おいしいものにちがいない。

・電車の運転見合わせで、ボロボロになって深夜帰宅。ストレスが閾値を超えている。「バーーーーーカ❗️❗️❗️」と怒鳴りたい。無料で怒鳴ってもいい場所を持ち得ないのは現代人の悲劇である。

・この歳になってようやく、読書の仕方がまとまった、小説は必ず図書館か家で読むべし、それ以外は電車

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2/2

・モモヒキっていいもんだ。

・『地震憲兵火事巡査』を拾い読み。今も昔も、水呑百姓の末々が武士道武士道と喚く狂気がある。

・『タイタス・アンドロニカス』。紆余曲折あって、第二幕第四場、美しいラヴィニアの両手と舌は切り落とされ、2人がかりで陵辱される。その実行犯ディミートリアスとカイロンのセリフ。

ディミートリアス「さあ、その舌でものが言えるなら帰って言うんだな、だれに舌を切りとられ、手ごめにさ

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2/1

・久しぶりにカフェロワイヤルをやった。ブランデーの池で炙られる角砂糖がゴボゴボあぶくをたてる。素敵だな、と言うより、『死霊のはらわた』映像を想起した。

・天下無双のz級クソドラマ「大病院占拠」の悪口を調べようとするたび、大母音推移と混ざって、「大病院推移」と間違える。

・「AのことをBと間違えちゃってさ」「AみてたらB思い出しちゃってさ」と言う時、本当に愚かでささやかな錯誤行為(息子を飼い猫の

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1/31

・老いは長く生きた罰、というのはシオランの言葉だ。確か。

・最近は寒いんで、汁粉がうまい。自販機でもよく買う。あずきが出やすいように、缶にくびれをつけている。ハハ便利なもんだ、と思う。だが、一体どうやって缶にくびれを形成しているのか。そもそも、どのくらいのくびれをつければあずきが出やすいか、その型を作るにしても、あーでもないこうでもないと、汗と血の滲む研究があったはずだ。そんな知恵と情熱の結晶が

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1/30

・中野好夫が、「文学と老人」といういささか通俗的なエッセイで述べている。文学の場に現れる老人は、そのほとんどが醜悪で、歯無しの糞垂れ愚痴垂れ、頑迷固陋、老耄、貪欲、場合によっては下がお元気。およそお年を召した方々の喜ぶものはないのだ。ここでは能の『恋重荷』から、『リア王』に『ゴリオ爺さん』、『源おじ』『ガリヴァー旅行記』などなどが引用され、老人のみじめさ、醜さが暴かれている。それをそのまま孫引きと

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1/29

・学ラン姿、もさもさした男子中学生が、コンビニで9000円分のニンテンドープリペイドカードを買っていた。いいなあ。

・大学に行ったが、ピヨっ子1羽いない。探し回っていたら、良かった、ネクタイの太いシジュウカラがピーじゃがじゃがと元気にやっていた。

・ここ1ヶ月、多分、毎日本を買っている。毎日読んでいるが、当然追いつかない。自室の本棚はとっくに埋まっている。机も満員だ。最近は床に積み上げている。

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1/28

・イソヒヨドリ、人生2回目の観測。初回もそうだったが、この子たちはどうも、急行が止まらないビミョーな駅の近く、それもビミョーなスーパーの屋上でさえずるのが好きらしい。「イソ」ヒヨドリというくらいで、本来は磯でピーチクやっている鳥なのだが、近年はごく普通の都市部、海のない県の退屈な市街地にまでやってくる。ありがたいことだ。

・主張が、理屈や議論ではなく感情に基づいている場合、impregnable

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1/27

・散歩中。ふとトートバッグをのぞいた。するとどうだ、およそ見たこともない本が、すまし顔で居座っているではないか。鼠色のやや毛羽だった地に、ちいさな金箔がこまかく散った、なんともアッパレな装丁である。はて、買った覚えがない。そもそも私は、本好きとは申せど、月収5万の甚六で、買える本と買えない本の見極めくらいはつく。よくよく見るとこの佳品、つい先ほど、勝手知ったる古本屋で購った、「老い」という題の随筆

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1/26

・ネコチャンのおやつにと思って、立派な焼かつお(112円)を買った。こりゃ喜ぶぞ。意気揚々で帰ると、件のたぬきが足元にニャゴニャゴすりついてくる。これこれ焦るでないよと宥めすかす。食べやすいようにかつおをほぐし、ニャゴ用のお皿に入れた。いや読者諸君、呆れたもので、匂いをスンスン嗅ぐだけ嗅いで、「なるほどね」という顔でスタスタどっかへ行ってしまった。 

・ローソンの、ヘナヘナした軟弱カヌレを食った

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1/25

・「それ意味ないですよ笑」でぜんぶだめになる。

・漫画喫茶にこもり、グラップラー刃牙を読み漁る。母親のくだりが好きだ。あの「背負い」は、楢山節考なんぞよりも美しい。

・漫画喫茶があるなら小説喫茶もあってしかるべきじゃないか。漫画より回転率が悪いから上手くいかないのか?読書離れが云々とはいえ、同じ本のいろんな翻訳を読み比べたり、続きものをぶっ通しで読みまくったり、素敵でいいじゃないか。とまで考え

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1/24

・あと2ヶ月とわずかで私のモラトリアムが終わる。しかしどうも怠けてだめだから、ほぼ毎日、箇条書きで、日記とメモ帳をかねて何か書く。

・マガジンの名前はモームのA Writer's Notebookからとった。才能のない人間にできる芸術活動は、2つだけあって、パロディと自虐だ。

・モームのそれはルナールの『にんじん』評から始まる。やたらの絶賛なので、私も大久保洋訳を買って半分くらい読んだ。いや、

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