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“日本の就職活動に変革を起こす!”ベンチャー企業QUZLABが語る「個性が輝く社会」とは?

学生団体発ベンチャー企業 株式会社QUZLAB(読み方は「クズラボ」。以降、QUZLAB)の代表 井口覚さんとファウンダー・取締役 小林友哉さんのお二人にインタビューを行いました。

QUZLABの創設は2019年3月。当時、自称クズな現役大学生2人が、“日本の就職活動に変革を起こす!”という熱い志を持って立ち上がりました。

今回、設立3周年を目前とした彼らに、改めてどんなことがきっかけで、起業に至ったのか?事業を実際に始めた今、どんなことを感じているのか?を語っていただきました。

〜〜〜余談〜〜〜

インタビューと言ってもとても和やかな、形式張らない対話の記録といった方が正しいかもしれません。というのも、実はQUZLABは私が設立したTEKITO DESIGN Labと同じ「次世代人財塾 適十塾*」を母体とする組織なので、言わば姉弟のような関係です。(テキトーな姉とクズな弟なのです笑)

就職活動に悩む大学生、そしてモヤモヤを抱える社会人にも是非一読いただけたら嬉しいです。そして私自身、QUZLABのロゴ制作に携わらせていただいたので、ロゴに込めた思いも合わせてお届けしたいなと思います◎

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ebichileco:創業してから早3年。時が経つのは本当に早いですね。出会った時は大学生だった二人が社会人となり、起業して活動していることがとても感慨深いです。学生時代の思い、そして起業した今、どんなことを感じているかを是非聞かせてください。きっかけはどんなことだったのでしょうか?
(呼び名は普段通り、井口のことは「さとる」、小林のことは「ともや」と呼ばせていただきます)

 

Chapter1:
「クズな自分は今後どうしたらよいのか?」という正直な悩みから生まれた起業の種

さとる:今日はよろしくお願いします!
大きなきっかけは、大学3年生の時に直面した就職活動です。正直、「やりたくないな〜」というネガティブな気持ちがありました。というのも、僕は二十歳を過ぎてもバイトもせずにおばあちゃんからお小遣いをもらい、友達と遊び呆けて将来のことや就職活動について真面目に考えてこなかったクズ大学生だったのです。

社会人も通う専修大学夜間部に通っていたので、まずは周りの仲のいい社会人に「実際、仕事ってどんな感じですか?」「自分はクズなので、就職活動が正直しんどいです。今後どうしたらいいですかね?」など、自分のダメなところをネタにしながら聞いて周っていました。

すると、自分の想像とは異なり「井口のクズなところが個性的で面白いよね〜!」と自分のダメなところを肯定してもらうコメントを多くもらったのです。「就職活動=自分の強みをPRする場=弱みは見せられない場」だと思っていたのですが、社会人たちからの言葉を受けて「自分のダメだなと思っていた弱みを、個性的で面白い!」と思ってくれる人に出会うことができれば、自分をごまかさずに、クズはクズらしく生きることができるのではないか?と考えるようになりました。

 

Chapter2:
「クズ=個性」と肯定してもらえた経験が 一歩踏み出す勇気に

さとる:「クズなところも個性」「弱みをさらけ出し、認め合える」という価値観や関係性を今後も大切にしていきたい。さらには、就職活動の際に“クズ履歴書”があったら面白いし、学生と企業間のミスマッチも防げるのではないか?と考え、日本の就職活動における課題を解決するためのサービス案を考え、勢いのまま大学のビジネスコンテストに応募しました。

残念ながら結果は予選敗退だったのですが、唯一、私のアイディアに感銘を受けてくださった先生がいらっしゃいました。見山謙一郎先生です。名刺をいただき、後日、お会いしにいくと次世代人財塾 適十塾の塾長をされていると教えてくださいました。

先生の人柄や適十塾の活動内容に惹かれ、自身も入塾して「クズプロジェクト」を立ち上げたところ、小林が賛同してくれて一緒に活動をするようになりました。そして翌年、仲間と構想をブラッシュアップしてビジコンにリベンジしたところ、3位に入賞することができました。
そこで大学に認められたという手応えを感じたと共に、さらには社会に認めてもらえるようにもっと頑張りたいと思うようになり、翌年に株式会社QUZLABを設立しました。

ともや:見山先生の授業を取っていたところ、「クズで面白いやつがいる」と井口を紹介されました。プロジェクトの話を聞いて、素直に「クズ履歴書っていいな!」と思ったのですが、企業側のことを考えると、クズなやつらがたくさん増えても正直困るよな…という視点もありました。「クズ=個性」という考え方を一般化して広められればいいなと思い井口と活動を始めました。 

ebichileco:現状、「クズ」っていうといつ・誰に・どこで言われるかでかなり印象が異なってくると思うのだけど、二人の“クズのイメージ”はどんなものですか?

 

Chapter3:
クズとは、誰にでもあるようなもので 人間らしさのあらわれ

さとる:僕達なりにクズの定義を行っているのですが、イメージとしては、「“クズ”は、誰にでもあるようなもの」です。それは人間らしさだと思います。クズって聞くと悪いイメージを抱く人が多いと思うのですが、僕の中ではポジティブなイメージです。
僕の周りには、やんちゃなことをしたり、周囲から“ダメなやつ”とレッテルを貼られ、僕と同じように「お前、クズだな〜」と呼ばれる人が多いのですが、一番身近で彼らと関わっていると、“本当はいいやつ”だってことを僕は知っているし、周囲からの評価とは違う、本来の良さが活かしきれていなと感じることがありました。

ともや:僕の中でのイメージは、ポジティブでもネガティブでもないですね。本質的なことかなと思っています。クズな部分は、打算的ではなく「その人の“そのまんま”が思わず出てしまった部分」だと思います。「クズ=裏の顔」ではなく、「クズ=裏表がなく、その人の本質的なところ」です。それを活かす人やものが世の中にもっとあればなと感じています。それをQUZLABとして作っていきたいです。 

ebichileco:確かに「自分でクズだな〜」って感じることは私自身もあるなと思いました笑 今言ってくれたことが概念的に広がれば、もっと生きやすい社会になるんだろうなと思います。
二人の話を聞いて思い出したのは、今で言う“クズな人”を、昔は“与太郎”と呼んでいたそうで、落語の世界では与太郎のダメさ加減を笑いに変えて、近隣住民で支えあって暮らしていたようです。そういった大らかさや発想の転換が面白いし、大切だなと感じます。(この話は長くなりそうなのでこの辺で終わりにします笑)

起業後、具体的にはどんな事業を展開しているのでしょうか?

 

Chapter4:
自分の弱みに気づき、活かす QUZBAL式面接

さとる:現在は専修大学で、学生に対して『トリセツをつくる会』と称した自己理解を促すワークショップを実施しています。学生と社会人が対話形式で、「いいところも弱いところも含めて自分だよね」と互いに学び合える機会の創出を目指しています。

会では、社会人は面接官となっていただき、学生たちには従来の「通常面接」と僕達が考案した「QUZLAB式面接」の2つの面接を経験してもらいます。
QUZLAB式面接の場合は、特に「自分の弱み」にフォーカスした面接となるため、今まで自分では気づかなかった側面を発見できるような仕組みづくりを心がけて実施しています。
最終的には、2つの異なる面接を通じて感じたことを「自分自身の取り扱い説明書」に落とし込んでもらう流れです。今後は、企業に対して1.5次面接のような形でセカンドオピニオンとして取り入れてもらえたらなと考えています。

実際に大学で実施してみたところ、想像以上の手応えを感じました。新型コロナウィルスの影響で、学生10名、社会人10名の合計20名でオンラインで実施したところ、終わった後、参加者からの満足度の高い声をいただけました。
「社会人との接点が学生時代になかったので、社会人との対話を通じて自分を見つめられた」「いままで強みばかりみていましたが、弱みから自分を見つめることで新たな発見があった」などです。 

ともや:実施してみて感じたのは、学生と社会人が接する機会が日ごろあまりないことでした。トリセツを作る会は、実際の採用面接ではないので、学生と社会人がお互いのことをしっかりと理解しようとする意識が働く中での対話なので、普段の生活の中ではなかなか得られない光景で、やってみてよかったなと感じています。

ebichileco:確かに学生はバイトの社員や、ゼミの教授などの大人と話すことはあっても、なかなか腰を据えて弱みを交えて話す機会はないですよね。やってみての直面した苦労や、やりがいはどう感じていますか?

さとる:正直、金銭的にも精神的にもかなり苦しいですね笑 起業って大変だと思ってましたが、本当に大変だなと肌で感じています。学生時代は「安定」っていう言葉が嫌いでしたが、安定って本当にすごいことです笑 不安に感じることが多いのは事実ですが、今やりたいことをやれているので、一喜一憂せずに、今後花開けるように信じてがんばるのみだと思っています!

ともや:確かに金銭的な苦しさもありますが、クレジットカードを作る時などに所属を聞かれることがありますよね。その時に「会社役員」って書いていいのか?という戸惑いがあります。果たして、社会の中でいうところの自分は今何者なんだ?と自分のステータスがわからなくなります。ステータスが「?」です。割とそこが現在の悩みですね笑 

ebichileco:それは私もとても共感する部分です笑 けれど、ステータスが「?」というのは、みんなに当てはまっていいことであるようにも感じます。コロナもあって、変動、変動、変動の社会で、明日はどうなるかわからない。どうなったとしても、前向きでいられるといいですよね。私たちの恩師、見山先生も「無職」の時代があったということを、ネタにして笑って吹き飛ばしてますしね笑 

では、最後に改めて、QUZLABの未来のビジョンを教えていただけますか?

  

Chapter5:
一人ひとりの個性が最大限活かされ 輝ける社会を

 さとる:やはり、クズっていうところが原点にあります。クズとは、大きくまとめたら個性です。一人ひとりの個性が最大限活かされ、そして輝ける社会を目指しています。そういう未来があることで、僕達世代の若者やこれから生まれてくる子どもたち一人ひとりが「日本に生まれてよかった」「自分って今輝いてるな」と思えるような個性が輝く社会を目指してがんばっていきたいなと思っています。

ともや:若い人がもっと我が強くなってもいいのではないか?と感じています。社会経験を積んだからとかではなく、学生の言う事だろうとなんだろうと、一人ひとりの思いを真摯に受け止められる社会になったらいいなと思っています。そういった意味でも個性が輝く社会を目指したいと思っています。

 ebichileco:私たち自身も、弱さも露呈しながらも自分らしく輝きたいですね!お互い引き続き成長できるようにがんばりましょう!今日はありがとうございました。
それでは最後に、QUZLABのロゴ制作の過程をお届けしたいと思います。最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

番外編:
QUZLABのロゴ制作の裏側

こちらを採用いただきました◎

QUZLAB、TEKITO DESIGN Lab、適十塾に興味が湧いた!という方は、ご遠慮なく下記までお問い合わせください◎

[お問い合わせ先]
QUZLAB
TEKITO DESIGN Lab・適十塾

最後まで読んでいただき、 本当にありがとうございました。

次世代人財塾 適十塾*
2011年より立教大学・国際基督教大学・上智大学・多摩大学・明治大学・大妻女子大学・津田塾大学・専修大学・東京農業大学、そして各大学を卒業した社会人から構成される組織。
元三井住友銀行のバンカーで、その後ap bankの理事も務めた見山謙一郎氏の指導の下、「社会的課題を学生の柔軟な発想と、ビジネスの手法で解決すること」を指針にして、バングラデシュでの雇用創出と日本の伝統の再興を目的として活動している。 

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