ウィリアム・ギブスン、パッド・キャディガン『エイリアン3』の読書メモ(またの名をひとり読書会) 13-15章


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①あらすじ
・ロジーナ・ステーション。大佐-博士サスロフと、その助手Laura Braunの会話。回収したビショップから回収したデータでエイリアンの生態についてわかったことを報告。産卵管ovipositorとフェイスハガーを分類する。
・軍事的な重要性、つまり兵器への転用可能性についての話もでる。
・ビショップの処遇。データをコピーした後はアンカーポイントへ返すほかない。

②疑問点
・すぐに悪いことに転用しようとするのは、いつの時代もどこの場所にもいるものだ。

③読めない英語
“And then,” he continued, “using the alien cells recovered from the robot, we proceed with a program of scientific research. We will clone the alien… not to explore its potential as a weapon, but to discover the properties of a substance previously unknown to us. Is this clear?” They all nodded dutifully. “Then the matter is settled, with prejudice,” he told them. “We’re adjourned.” His wasn’t the only sigh of relief.

【訳】「では」と彼は続けた。「ロボットから復元したエイリアンの細胞を使い、私たちは科学的な調査に取り組んでいきたいと思う。私たちはエイリアンのクローンを作る。兵器としての潜在能力を探究するためではなく、私たちにとってこれまで未知のものであった物質の性質を深く知るために行う。わかったか?」彼らはみな義務的に頷いた。「では、問題は解決した。権力は侵害しているが」彼は彼らにいった。「散開だ」安堵のため息をついたのは彼だけではなかった。

without prejudice「権利を失うことなく」という表現があるので、これを踏まえてだろうか? withがイタリックになっているのも怪しい。権利への侵害と訳すとして、一体何の権利で、どんな侵害なのか。

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①あらすじ
・トレント博士、タリー、ロゼッティでエイリアンの生態について。エイリアンの一部は猛烈な勢いで環境に適応し、他者・異物を取り込んでいく。

②疑問点
・『エイリアン4』っぽいし、『プロメテウス』『コヴェナント』の要素も入ってきている。小説としてできあがったのは2021年なのだが、どの程度までギブスンの脚本に描かれているのかが気になる。その後の映画の影響を受けているのだろうか。

③読めない英語
“It’s a Darwinian ideal that exceeds Darwin,” Fox continued. “Nature offers all living things just two alternatives: adapt or die. These creatures are the ultimate survivors—no matter what, they adapt. Immediately.”

【訳】「ダーウィンを超えるダーウィニズムだ」フォックスは続けた。「自然はすべての生物に2つだけ選択肢を与えた。適応するか、それとも死ぬか。これらの生物は究極の生存者だ。なんであれ、適応する。それも、すぐに」

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①あらすじ
・ヒックスがリハビリ?もかねて作業場へ仕事をしにいく。Walkerというエンジニアと出会う。

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