前回の記録から約三ヶ月が経過した。
こういったものはこまめに記録すべきと分かっているが、非マメ人間には難しい。にんげんだもの。
出来ないことを嘆いても仕方がない。

毎日顔を合わせているとその変化に気づきにくい。
いや、毎日見ているからこそちょっとした違いに気づくのか。
注ぐ愛情によるのか、観察の仕方によるのか。子育て論じみてきた。

我が家の剛田くんに限って言えば、この三ヶ月の間に目覚しい変化を遂げている。男子、三ヶ月会わざれば刮目して見よということか……。
いや男子じゃなくても三ヶ月も会わなかったら変わってて正常だわ。
とまれ、百聞は一見にしかず。
前回の記録から驚きのビフォーアフター形式で見て欲しい。

まずはビフォーから。

そしてアフター。

ひょっこりはんだった子株がにょっきり伸びて、モサモサになった。
全体像はこちら。

もう数え切れないくらいに葉っぱも増えて力強い。
どこか頼りなげだった「剛田くん」の姿は消え、すっかり「剛田先輩！」という感じであるのが見て取れるであろう。
直射日光は苦手な剛田くん、いや剛田先輩はここにきて陽キャのガワを手に入れた。遅れてきた高校デビューというやつか。

観葉植物界のスクールカーストを考えた場合、生徒会長はモンステラあたりで多分彼はテニス部の部長とかやってるよね。ガジュマルさんは人当たりの良い副会長で文芸部だよ。モンステラ会長との仲が噂されているけど、今は幼馴染でコーラス部のポトスちゃんと遊んでる方が楽しいかな。
観葉学園でモンステラ会長と人気を二分しているのが、パソコン部のサボテン先輩なんだけど。
えっ、サボテン先輩、知らない？　トゲトゲしくって、一見ワルって感じなんだけど話してみると優しいんだよ！　成績もすごく良いし！
……実はサボテン先輩、ガジュマルさんのこと好きなんじゃないかって思うんだけど、そうなると先輩の従姉妹のアロエさんと三角関係が……。
あ、内緒！　内緒だよ、誰にも言っちゃ駄目だよ！

自分だけが楽しいごっこ遊び。
擬人化大好きな日本だから、すでに誰かが似たようなことをしてそうな気はする。
どの世界も生き抜くにはそれなりの厳しさがあるのだ。
ただ陽キャでも陰キャでも、剛田先輩がこれからもこの殺風景な一人暮らしの貴重な爽やか担当であることは変わりない。

そして悩むべくは子株のことである。
やはり株分けをするつもりはないのだが（そもそもうまく出来る気がしない）、となるとまた一回り大きい鉢に植え替えるべきだろう。
しかしながらもうその時期なのだろうか？
今の鉢に代えたのが去年の６月。まだ一年も経っていないゾ。
そんなペースで大きくなるのか？　剛田パイセン……。
どうなの？
ぐんぐん成長期なの？
今のベッド、狭いの？
物言わぬ剛田くん、君の意見を聞かせてくれないか。