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誰にもそれはわからない

(2013年8月4日:旧ブログ記事) 心肺蘇生時にバソプレッシン+エピネフリン+ステロイドの3剤を投与すると、蘇生時にエピネフリンだけを投与した場合に比べると脳機能スコアが良い状態で生存退院できる患者が有意に増えるというアテネ大学の研究結果がJAMAの7月13日号に掲載されていた。タイトル中に「in-hospital cardiac arrest」とあるように、これはあくまで院内発生の心停止事例についてのことなのだが。さて、論文の中にも「心肺停止から蘇生した患者の25%~5

    • 決意はいつでも翻る

      (2012年9月18日:旧ブログ記事) 今ではほとんどが蘇生後脳症の遷延性意識障害の患者ばかりになってしまったが、うちの病棟は本来ALSや筋ジストロフィーなどの神経難病の進行で人工呼吸器管理が必要になった人たちのための病棟である。あるとき在宅で介護を受けてきたのだが、肺炎で急激に呼吸状態が悪化し、救急搬送された先で挿管されて人工呼吸器をつけることになった神経難病の患者が転院してきた。身体症状の進行でもうすでに在宅での介護に限界を感じ始めていた家族も、介護の上にさらに人工呼吸

      • 値踏みする目線

        (2012年9月17日:旧ブログ記事) 考えるところあって、去年あたりからまた改めて看護学を勉強しなおすことになった。(それでこちらの方でまとまった文章をあまり書けなくなっていたのだが)その中で死生学を取ることになり、レポート作成のため必要になって今読んでいる資料に「ラモン・サンペドロの遺書」というものがある。これは2004年のスペイン映画「Mar adentro」(邦題「海を飛ぶ夢」として日本では2005年に公開)のモデルになった、スペインで最初に尊厳死を求めて訴えを起こ

      誰にもそれはわからない