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僕たちの地下鉄ベビー

昨日の夜はこれを読んで泣いてた。NYの地下鉄の駅での赤ちゃんと一人の男性との運命的な出会いの話。同居中の同性パートナーに反対されても父親になる事を決めたダニーさん。

いかに女に子供を産ませるかばかり考えている某国の政策とは真逆の、人が人を育てるというのはどういう事か、考えさせられた記事。愛がなくても赤ちゃんは出来るが、それを育てるのは愛なのだと思わされた。

内容を全部訳すのは権利上の問題がありそうなので、以下記事からの抜粋。

ダニーさんが見つけたはだかんぼうの赤ちゃん

NYに住むソーシャルワーカーのダニーさんは、34歳の時仕事帰りに地下鉄の駅でトレーナーに包まった裸の赤ちゃんを見つける。最初は誰かが落とした人形だと思ったが、足が動いている。

周りの人達に「赤ちゃんがいる!」と訴えても皆素通り。仕方なく家で待つ同性パートナーのピートに連絡し、無事通報して赤ちゃんは警察に届けられる。その道すがら、ピートはダニーに「あの子の人生にずっと君は関わり続ける気がする」と言う。発見者として年一回あの子にプレゼントやカードを送る、という意味のピートの言葉は意外な形で現実になってしまう。

しばらくして裁判所の判事から「養子に迎える気は無いか」と連絡を受ける。現状で幸せなピートは大反対、破局の危機にまで発展してしまう。

パパ二人と赤ちゃんの家庭がスタート

それでもなぜか養子に迎えると決めてしまうダニーにピートが激怒。「NYでシングルファザーになるのか、頑張れよ」と捨て台詞まで吐いたはずなのに、ダニーと共に赤ちゃんと面会し、小さな手でぎゅっと指を掴まれた途端、気持ちが180度変わってしまう。その場にいた女性判事は何を思ったか「2日後に迎えに来て」と言う。普通だったらありえない速さ。

呆気に取られる間も無く家を片付け赤ちゃんを迎える用意をし、ピートの両親の助けを得て準備を進める。ピートのママは大喜び、最初は渋っていたパパもやがてはそれを受け入れる。子供には赤ちゃんの時生まれてすぐ亡くなったピートさんの兄ケビンの名前がつけられる。

落ち着いてからピートの家に遊びに行ったケビンは一家の隣人コミュニティの大歓迎を受ける。朝から晩まで次から次へと隣人が贈り物を持ってやってくる。ケビンは物怖じしない赤ちゃんで全ての人の歓迎を喜んで受け入れる、生みの親から受けられなかった3ヶ月分の愛がどっと赤ちゃんに押し寄せた。

「Our Subway Baby」の誕生

当時地下鉄で見つかった赤ちゃんの事は大々的に報道されてしまっていた。ケビンが大きくなって自分の出生の秘密を他の人から知らされたら傷つくのでは、と心配したピートさんはケビンとダニーの出会いを絵本にして毎晩読み聞かせる。ケビンの大好きなお話だが、最初はこの赤ちゃんが自分だとは気づかな買った。がある時やっとこの地下鉄の赤ちゃんが自分だと知る。ケビンは好きな絵本の主人公が自分だと知ってむしろとても喜んだ。

学校のshow&tellという自分の好きなものを見せる活動に持って行って皆に読み聞かせるほど気に入った…ケビンが学校で読み聞かせた後、あるお母さんからダニーとピートに連絡が来る。実は彼女の娘も養子なのだが、ケビンの読み聞かせを聞いて、自分に自信を取り戻したという。二人への感謝のメッセージだった。

ケビンが10歳になった時、NYで同性婚が合法化される。実は昔ダニーに求婚された時ピートは「二度とその話はするな」と言い放っていた。今までずっと求婚を渋っていたピートがケビンのために結婚を考えなおし、ケビンにも相談した上で結婚する事を決意する。そこでダニーに養子の話を持ち込んだ判事に連絡、家族や少数の友人だけのささやかな結婚式だ。

今ではダニーさんとピートさんは合法的に夫夫(ふうふ)になり、ケビンはすくすくと育ち20歳になった現在コンピューターサイエンスを学ぶ大学生。
ライターが本業のピートさんがケビンの為に書いた絵本Our Subway Babyは今では児童向け絵本として出版されている。

Our Subway Baby より ©️Peter Mercurio

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「子供を作らないから」という理由で、同性婚に反対する人にも是非読んで欲しい本だと思う。また女に子供さえ産ませれば少子化が解消できると思っている人達にも。

愛がなくても赤ちゃんは生まれるけれども、幸せな赤ちゃんを育てるのには様々な形での愛が必要なのだと思う。

追記:サウザンズブックスと、米国在住の翻訳家北丸雄二さんによる、出版プロジェクトが発足しました。支援を希望される方はクラウドファンディングのページをご覧ください。

https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/5005

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