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サピックス・日能研の生徒が

モノグサという唯一無二の教材を手に入れたことで、コロナ禍で生徒に解かせた問題は年間160万問を超えました。紙のみで基礎学習を積み重ねていたころと較べたら、ざっと3倍くらいの練習量。

その詳しい指導法は、別の機会に記すとして、ここでは、その過程の中で、他の塾に通いつつ、基礎計算の講座に参加した生徒たちが、どんな間違いをしたのか? ということを紹介していきます。

過去に基礎計算の講座に参加したのは、東進ハイスクール・駿台予備校・サピックス・日能研・グノーブル・スクール21・ステップ・臨海セミナーなどの生徒たちです。

長年の塾指導の経験から、100人中ほぼ100人の生徒が、基礎計算に課題があるということがわかっています。どんな学校・塾に通っていても、α1クラスにいても、内申オール5でも、国立大学や医学部を目指す高校生でも、小学校低学年の計算でミスすることはある。

計算のやり方を理解しているか、していないか? っていうと、もちろん理解してる。似た問題を10回やれば10回正解できる。でも20問連続正解できるかというと、意外にできない。

「たしかにさ、バットにボールを当てて振れば、ボールが飛ぶと理解していても、20球すべてを打ち返すことはできないよな?」

そう、それとよく似ています。
たとえば、この問題

え^^… 何を持ち出すかと思えば、引き算ですかぁ……と、速攻ページ閉じようとしている保護者の方ぁ…^_^。

不思議なことに塾の先生や学校の先生は閉じない。「あるある!これこれ。」という声が、多くの先生から出ているはず。特に、上位の生徒を上位の学校に合格させようという先生ほど。

もちろん、算数数学が苦手な生徒でもよく見られるミスですが、御三家や都道府県内トップ高校、理系大学などを目指す、本来こんな問題を間違えるはずのない生徒が、間違える。

繰り返しになりますが、これらの間違いは、名だたる塾に通う生徒たちのものです。決して学力は低くない、もちろん意欲も高い。彼らが通っている塾だけではなく、基礎計算力を伸ばそう!って塾を追加するくらいには。

① 上記3つは、似た間違いパターンのものを並べてみましたが、共通点わかりますか?  

そうです。3つとも「9」が関係する計算ですね。足し算引き算が関係する問題では、9が関係するものが圧倒的に間違いが多いのです。

② 9が関係する場合、左から右を引くところ、なぜか右から左を引いてしまったり、足し算なのに、引き算をしてしまったり、ということが起きやすい。

え? ナニ言ってんの? 右から左を引く? 足し算なのに引き算をする? 馬鹿をいっちゃいけないよ~。優秀な生徒がそんな間違いするはずないじゃ~ん。
そうなんです、「優秀な生徒でも、絶対にありえない間違いをする」ということを、まず認めること、それが基礎計算をきたえる道の第一歩です。

③ 筆算を書けば、絶対に間違えないでしょうが。。
ですよね。
ただ、小学校高学年以上、まして上位の学校を目指す子たちが上記のような問題で筆算することは絶対になく、暗算で解くことになる。それで、いつもではないが、20回に1回くらいは間違えてしまう。

④ どの式も、4つの数字と2つの記号、合わせて6文字でつくられた式ですね。
目がその6文字を読み取って、脳内で必要な数値だけを選び出し計算する、ことを繰り返したら間違えないはず。

ところが、人間の脳はコンピューターとは違う。読み取った文字がなぜか脳内で違う数字になって計算されたり、14から3を引くはずのところ、なぜか繰り下がりが気になって、13-4=9なんて、違った計算をしてしまう。

そう、ボールを見て、バットを振っても打ち返せるとは限らない、のと同じです。(バッティングより打率は高いけど)人間の目と脳と手は、常に正確には動いてくれない。


これは、算数数学が苦手な生徒にとって重要なことですが、御三家なんて呼ばれる超難関校を目指す子にとっても、すっごく大事な話。

だって、そういう学校に合格して学ぶ子たちは、ほとんどそういうミスをしない。過去にはミスしていても、入学試験を乗り越える中で、確実にそれらを克服して、間違えるストレス最小で点数をとる習慣を勝ち得ているから。

言い方を変えれば、こうした基礎計算を20問中19点ではなく、20点にすることで、合格できる学校の幅は広がるってこと。

また、優秀な子ほど、上記のようなミスは起きやすい。脳が勝手に計算しちゃうくらいに、自由で柔軟だからこそ、「自動的に」脳が右から左を引いてしまったり、見た数字を引かないで足してしまったりする。

計算ミスをする、ということは頭が悪いんだ、ということでは決してない。
理解しているからこそ、脳が超高速で自由に回転するから、おきること。

計算ミスをした、脳は自由だ。そして、すごいスピードで物事を処理する、すごいやつ。

20回に1回くらいはまちがえるけど。

あなたの脳の計算ミスを、愛おしく、大切にしてあげてほしい。
マタマチガエタ~!! バツ!!! サイアク!
って扱いをしないでほしい。

そんな思いを込めて、noteに生徒の間違いの事例を記していこうと思います。

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