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地域メディアが発展していくには?

エディー・ナナ

みなさんこんにちは。九州のど真ん中、熊本生まれ熊本育ち、エディー・ナナと申します。編集業や執筆を生業にしています。突然ですが、みなさんの街に「タウン誌」はありますか?

新しくオープンしたお店、気になる暮らしの情報、上映映画などが載った、エリア限定の情報誌。私は学生時代からこの「タウン誌」が大好きで、新卒で地元の出版社に入り、「タウン情報クマモト」を13年間作っていました。

毎月の特集を考え、リサーチし、写真を撮り、文章を書く。そんなことを繰り返しながら年月を重ねていくうちに、どんどん紙媒体を取り巻く環境が変わってきました。部数の減少、それに伴う広告予算の減少、媒体力の低下……。

地域メディアは、紙媒体は今後どうなっていくのだろう。

漠然とした、決して解決することのない大きな不安は消えることはありませんでした。そんな中、やりたかったことが頭をもたげ、勤続14年目、2020年春に独立することになりました。

独立してすぐ、熊本のアウトドアショップから発行される九州のアウトドアメディア「ROUTe(ルート)」の立ち上げに携わりました(現在は編集長を務めています)。その頃、古巣のタウン誌が廃刊に。「ただ本を作っていてはだめだ」と改めて思い、「落とし所(=収益化ポイント)」をチームで何度も話し合いました。

ROUTe(ルート)の発行元はアウトドアショップですが、旅行会社を持っていることもあり、ツアーや物販(ECサイト)を行っています。読者をアウトドアショップの顧客へ繋げることも使命の一つ。ツアーやECサイトの売上は目に見えるので、成果が分かりやすく、冊子作りのモチベーションに繋がっています。

地域メディアの灯を絶やさず、発展していくには。ずっとこの課題と向き合っている気がしますが、今のところ、先述した「落とし所(=収益化)」を「複数」設けるということを念頭に置いています。

ECサイト然り、ツアー然り、全てROUTeのコンセプトに沿ったもの・ことを並べ、「媒体らしさ」を出しています。入口が物販やツアーであったとしても、ROUTeのコンセプトをきちんと伝えることができたら、その次は冊子を手に取ってくれる可能性が高く、SNSでシェアしてくださいます。一方冊子には、SNSアカウントやECサイトをしっかり明記し、アクセスしていただくようなページを設けています。

ROUTeの冊子やツアー、物販、SNSなど「何かしら」に興味を持っていただいた方に、他のものに興味を持っていただけるような仕組みを作る。今はそのループを作り上げている途中ですが、点と点がつながり、少しずつですが結果が見えてきています。

本来の目的は、魅力的な誌面作りと価値ある情報を読者にお届けすること。資金を元手に、今日もせっせと読者にとって魅力的なコンテンツ作りに勤しんでいます。


エディー・ナナ
熊本県生まれ。大学卒業後、地元の出版社に13年勤務。冊子編集・執筆・企画・広告立案まで幅広くクリエイティブに携わり、2020年独立。地域、自然、旅にまつわる編集者として活動している。アウトドアメディア「ROUTe」編集責任者。

ROUTe


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