見出し画像

12-18 ハタチと秘密と嫉み

9:00
起きるの辛すぎる。どっかで強い意志を持って起き上がらないと。月並みだな。

 ハタチ過ぎればただの人ってのはマジかもなって最近思いつつある。
これの本質は小さい頃から引き摺ってた厨二病がこの歳で治るってことだろ。
ご多分に漏れず俺も厨二病が治りつつある。自分が有り触れた凡夫なことを魂が認知しつつある。
高校の時まで、いや前期ぐらいまでは「俺は変わり者でみんなとは違う」って思ってた。だけど、後期になって友達が出来て、そいつらと俺は同じなんだと思うようになった。月並みな文章、擦り倒されたユーモア、どこにでもある会話、「普通」の人達がみんな経験してる遊び。正直高校の俺は特別だった、と思ってる。俺は代替できない存在だと思ってた。俺は誰とも被らない最強のキャラクターだと思ってた。それに付随して、そんな俺の哲学や思考には重みがあると思ってた。
でも大学に入って、少なくとも俺の思想や哲学と似たようなものを持ってる人がいっぱいいることに気付いた。
キャラクターも高校と比べたらやや薄くなったし、黒髪となった今さらに没個性に近付いた。
残ったのはデブだけだ。
今は楽しい。すごく楽しいんだけどさ、物足りなさってのはこれなんだよ。俺が特別じゃなくなった感覚。元から特別でもなんでもないんだけどさ。でも自分でそう思う分には自由だろ、ちょっと、いやかなり痛いけどそういう奴。自分で思えなくなったってのは大きいんだ。自分の価値が著しく落ちたと思っちゃうんだ。
ただ高校の最初もこういう似たような、「特別にならなくちゃ」みたいな「普通は嫌だ」という焦りを覚えてかなり痛々しく足掻いてたけど、今はもうあんまりしない。

いや足掻いた方がいいのか?ここで特別を獲得しに行かないともう一生凡夫なんでは?とかいってもね、おれはもう努力しないよ。なんの苦労もせず、嘆くだけ。

9:00
先週の体育で騒いでたこと叩かれてたので今日は大人しくしてた。
だけど俺の士気が上手くあがらずぜんぜんボコボコにされた。

何故か急に剥ぎコラアイが発動し、女子の服の下が透けて見えてしまった。なんで今?しかも一瞬だけだったし。なんだったんだあの性欲のフレアは。

12:30
昼飯食ってたらバンドの人達と遭遇。明日の練習時間を聞いた。21:00~23:00らしい。クソすぎる。遅すぎだろ。皆んな忙しいのは当然存じ上げてますよ?でもね、その時間はちょっと嫌かな。好きになりきれてないヤツらと過ごすその時間逆に泊まりよりもきついかも。いやそんなことは無い。泊まりの方が圧倒的にきつい。
また仕上がってないし、てかそもそもこのメンツが好きになりきれてないから士気が上がってないってのはまあある。でもできない理由に他人を使うべきじゃあない。ごめんね。
俺お前らとかなり高めに壁作ってるわ。そもそもの生き方の系統が違いすぎんだわ。 お前らは飲みげーとかイッキとか、合宿とか日の良くあたるような所をゆく生き方かもしれないけど、俺は強いて言うなら夜の河川敷で熱い話をしながらしっぽり飲むお酒の方が好きだし、基本的に陽の当たらないような人生だし。いやまあ目立つタイプではあるけど、本質が陰なんだわ。基本家から出たくないし、漫画とアニメが好きだし、相手のことをよく知らないのに悪くいうし。

13:30
ダラダラとポーカー。ぶっ飛んでから借金(金では無くポイント)をしてゲームに参加し続けたら最下位から2位まで浮上出来たけど、男のオールイン勝負に負けて最下位にまた転落。

15:00
困ったことにね、こないだ落単した女子たちがそのことを勘づいたっぽいんすよね。
「私たちあの授業落単ってマジ?」って聞かれて、「俺その回言ってないからよく分からない」と答えて教室を飛び出す。飛び出したあと思わず走ってしまった。
本当はその落単について友達からかなり聞いてるので知ってる。だが、知らないフリをした。けどしらを切りきれなかった。
なんか秘密がバレたのが怖くなって走って逃げたんだ。

この件をよく知る友人たちはトイレに言ってたのでそっちへ。まずいぞと、伝える。

なんだよおもろくないことになっちゃったなーみたいな話をするだけして、教室に。

戻ってきたら、「誰か先週いった人いない?」
今日来てたメンツでその授業に出てたのは1人だけ。そのひとりの肩にすべての責任が乗ってしまう。
みんな、声に出してそいつだという訳には行かなかった。それは裏切りだから。だが、自然と俺らの視線は彼の元へ。
そして女子たちは視線が集まった彼に問う。
「私たちのこと先生なんて言ってた?」

固まる彼。2,3秒の硬直の後に
「な、んて言ってたかなぁ、?」
彼女らに真実を告げるか、彼女らをエンタメとして生かし続けるか、彼は迷っていた。
俺は後ろからしつもんする彼女らを見ることが出来なかった。罪悪感から。自己保身の感情から。見たら何かしらのアクションをする必要が生まれることが怖かったんだ。
首が固まって動かない。スマホをいじるしかない。ここで振り向くことは、この話に興味を示したということになる、彼女らの落単をエンタメとして捉えてることの告白になる。俺が性格悪いやつだと思われるのが嫌だ。既に思われてるかもしれないけど、女子を敵に回すのは嫌なんだ。彼女らを笑いものとできるほど俺の心は強くないよ。怖いよ。

「なんか出席足りないから落単みたいなこと言ってなかった?」彼女らが自分が知り得てる情報を開示し、少し詰める。

「ま、まあまあそんなこと、いってた、ような気がする」

「マジかやばくね?」マジトーンで彼女らは話す。出席が取り終わり本格的に授業がスタートし、なんとかここでは事なきを得た。
  
彼はよく頑張ってくれた。よく頑張ってくれたよ。
何が知られちゃ行けなくて、どこまでだったら教えていいかも分からない話を頑張ってはぐらかしまくってくれた。 
俺がこの状況だったら絶対絶望する。

言ったら面白くなくなるその人の情報を抱えたままその人と関わるのって非情に神経をすり減らす。俺はほぼ会話に参加しなかったけど。

授業終わったあとも、さらに詰められてた。
それを振り切り、魂の五六限切り帰宅

17:00
あれ?定期切れてね?今気づいたわ行き無駄に金払ってたわ最悪、

17:16
大丈夫でした。明日までセーフ。うどんが食べたい。晩飯あると思うんだけど。いや今日休みでした。ふざけんな。せっかくうどんモードなのに。
ポジティブに行こう。金かからずに済んだんだ。金は残ってるに越したことはない。

18:00
弟が圧力鍋でチャーシュー作ってた。美味かった。肉は硬かったけど、よく味が染みてた。タレが死ぬほど美味かった。
刺身界最強はカツオのたたきです。異論は認めん。

19:00
ベース練習して、休憩がてら仰向けに寝転がったら気付いたら
20:00
うわぁーもったいないことしたよー

地元が彼女へのクリスマスプレゼント迷ってる。マフラーとハンドクリームで。値段は5500円。これが妥当なのか?みたいな話をした。
マフラーはもう彼女は少なくともひとつは持ってるらしい。じゃあ要らなくね?って思ってハンドクリームを勧めた。女子の数少ない友達に聴いたらDior?のマキシマイザー?の001?を?勧められた?
俺はコピペして送っただけだからなんのことかさっぱり。
昔は彼は俺の事全部すげーすげーって慕ってっていうかなんかリスペクトしてくれてたけど、最近になって俺のイキリを指摘してくるようになった。恥ずかしい。悔しい。しょうもないやつと認識されてるのか。

21:00
同級生はもう半分ぐらいセックスしてんだなって思ったらめっちゃムカついてきた。
処女厨的な意味合いではなく、いやまあそういう意味も持ってるけども、俺が劣等種であるところを突きつけられてムカついてる。
俺は強い人間だと思って生きてきたので、そういうのを突きつけられると発狂する。

セックスばっかしててしょーもねーよ本当に。銀杏BOYZが優しく寄り添ってくれる。彼らは俺の事を間違ってないって言ってくれる。

キートン山田「こんなしょうもない男の自己正当化の道具に使われて銀杏BOYZが可哀想である」

永沢「自己否定を挟むことで痛さから逃れようなんて、君は本当に卑怯だね。」 

山田「よくわからないけどエデルくさいじょ〜」

ブー太郎「ブ〜鼻が曲がりそうだブ〜」

大野杉山「永沢の家よりもお前の家が火事になればよかったのにな」

まる子「あんた、これ以上惨めなところ見せない方がいいよ」

たまちゃん「この人に何言っても無駄だよ、かかわるのやめよう?」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?