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【本】円安。これからの豊かな暮らしとは


このところ、お友達が香港にたくさん来てくれていて、そこででる話は、やはり「円安」。

暮らしの中で、いちいち円換算すると、食べるものが無くなってしまうので、日頃はあえてしないようにしてるのですが…5年前、1HKD=14円時代で、それが足元19円になり、香港内のインフレを加味すると、体感の上がり方がやばいです。。

それで、こう思う人は多いはず。

「こんなはずじゃなかったのに」

「安くていい商品を死に物狂いで作っていた結果が、これか」、と。

そんなずーんとした気分の時に、読んだこちら。
たまたま、香港でサザビーズのプレビュー&オークションが行われていて、冷やかしに行ったところだったんです。

本著は、名門のご子息で、幼少期から長く海外で生活してきた筆者が、商社から画廊オーナーに転身し、そこからサザビーズジャパンの代表取締役になるまでの自伝。普段もやに包まれた、画廊の役割やオークション会社の体制を垣間見ることができます

レビューを見ると、章が割と独立しているせいか、印象に残るエピソードは人によりまちまちのようす。個人的には、オークション会場に足を運んだところだったこともあり、「香港で行われるものが、なぜ、日本で行われないか。」の考察が一番記憶に残りました。

やはり、アート、芸術はまだまだ一般教養ではなく、好きな人だけが知っている、ある意味では「自分とは関係ないと思っている人」が多い現状。
日本にとかくありがちな、クローズドな世界を開くには至ってないためなのだと認識しました。

開けばいいかというと、文化的背景もあり、一概にはいえないところではありますが、

私が社会人になったとき、日本は、「失われた10年」と言われていました。そして、今「失われた30年」と言われていますよね。

そうなった理由の一つに、筆者がいうように「削ぎ落としてきたものの中に大事なものがあったのじゃないか」というのは、考えるべきことだと思いますし、本当に、待ったなしで、「豊かな暮らし」とは何かを問いかけていかないといけないのだと感じた一冊でした。


よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!