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【本】シェイクスピアを読む前に、読みたい。

「髪の毛が長い方が女性らしい」「学問ができる女は嫌われる」

今でこそ、そんなことを言う人はいないでしょうが、私が生まれた頃には、まだそういう価値観も残っていたし、おそらく母の代くらいの女性は真剣にそういう社会の思い込みと必死に戦ってくれた世代だったのではないかと思っています。
そんな思い込みが、一体どこから来たのか。

そのヒントがこの本にあります。

イブが神の命に背いて禁断の実を食べて以来、女性の長い髪は恥じらいと謙虚さのシンボルだったこと。女性が学問を好むのは「逸脱」であり、従って学問に興味をもつ女性は淫らであるという固定観念があったこと。400年以上前のルネサンス期に生きた「声なき」女性が、声を得るために、社会から逸脱し「魔女」や「娼婦」などと呼ばれ、そのレッテルと戦ったこと。

時は、シェイクスピアをはじめとする劇作がイギリスで多く生まれた頃。その頃のキリスト教の潮流と、その劇中のキャラクターの関係を紐解きながら、公平に、でも温かい眼差しでその時代を生きた人々に寄り添っているために、恥ずかしながら今までよくわからず共感できなかった、シェイクスピアのストーリーが立体感を持ちました。
変な女性論なんかより、よっぽど面白かったです。


よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!